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『Genesia Ventures ESG Report 2023』を公開

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シード期のスタートアップに投資と経営支援を行う株式会社ジェネシア・ベンチャーズは、本日『Genesia Ventures ESG Report 2023』(以下『ESGレポート2023』)を公開いたしました。

本レポートは、当社国内投資先スタートアップ約90社のESG経営指標を取りまとめたもので、レポートの全編は記事下部にある ダウンロードフォーム のご記入後、ご覧いただくことができます。

『ESGレポート2023』公開の目的

私たちジェネシア・ベンチャーズは、シードVCとして国内・アジア150社を超えるシード〜アーリーステージのスタートアップに投資・経営支援を行なっています。

シード〜アーリーステージの企業は、一般的には事業立ち上げ・PMF(プロダクトマーケットフィット)に専念するフェーズとして認識されています。しかし、ESG経営の理念や企業文化を早い段階から育むことで、スタートアップ自らが体制強化や制度構築にスムーズに着手でき、そうした取り組みが結果として企業価値の最大化に繋がるという正のサイクルが創られると私たちは信じています。

発行初年度となる今回は、投資先のスタートアップ各社がESGに対してどのように向き合い、価値創造の一端だと捉えているのかというファクトの認識・可視化を主眼に調査を行い、国内投資先のうち約90社から回答を得ることができました。

資金面・人材面双方のリソースが不足するシード〜アーリーフェーズ企業に伴走するVCだからこそ提供できる、ESG経営支援の模索・改善と、投資先を起点とした国内スタートアップへのESG経営視点の啓蒙を目的に、本レポートを調査・公開することにいたしました。

これからも当社がビジョンとして掲げる「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会を実現する」ために、長期リターンに繋がるESG経営の方法論やVCとしての支援の在り方を確立し、さまざまなステークホルダーから理解を得られるような産業創造の仕組みづくりを行ってまいります。

レポート結果概要

【Environment】事業ステージや組織体制も発展途上にあるスタートアップでは、身の回りのできることから環境配慮の取り組みに着手

  • 調査対象全体で、「事業を行う上で環境配慮の取り組み(リモートワーク導入によるペーパーレス化、節電など)を行なっている」と回答したのは約80%
  • シリーズA以降になると、環境意識が組織カルチャーとともに定着し、具体的なアクションの検討・実行が進む傾向

【Social】従業員の成長機会の創出・エンゲージメント施策は全ステージで進むも、人的資本経営に向けたDE&Iの推進や心身の健康バランスへのケア対応などは道半ば

  • 調査対象全体で、「従業員のエンゲージメントを高めるための施策がある、または検討中」と回答したのは約80%。事業ステージに関わらず、従業員の能力・才能を発揮できる機会を提供している企業がほとんど
  • シリーズAに入り、組織づくりに専念しやすいフェーズになると、評価制度や組織にあった補助制度など具体的な検討・導入が進む傾向
  • 一方で、「多様性を意識した採用ができていない」、「労働時間と従業員の心身の健康バランスを保つための取り組みができていない」と回答した企業はそれぞれ約30%あり、取り組みは道半ば

【Governance】事業ステージの進捗とともに、より透明性が高く、健全な経営体制の構築に向けた意識および施策実施が高まる傾向

  • 「業務を円滑に行う仕組み(業務マニュアルの整備など)」は事業フェーズでの差は少なく、約80%の企業が取り組んでいる
  • 一方で、シード〜プレシリーズAの事業ステージでは、「稟議制度や再鑑制度がある」へ「はい」と回答したのが約20%に対し、シリーズA以降の企業では約70%にのぼる
  • 同様に、「経営者や従業員による横領などを未然に防ぐ仕組みはあるか」の質問に対し、「はい」と回答したシード〜プレシリーズA企業が約40%に対し、シリーズA以降の企業では約80%にのぼる
  • 総じて、シード〜プレシリーズAの事業ステージでは、制度化や施策に着手できる企業は少ないが、シリーズA以降では具体的な取り組みが進む傾向

ダウンロードフォーム

ご記入いただいたメールアドレスに、『Genesia Ventures ESG Report 2023』全編をご覧いただけるURLリンクを送付いたします。

なお、いただいたメールアドレス宛てに担当者よりご連絡差し上げる可能性もある旨、予めご了承いただけますと幸いです。

担当者コメント

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ パートナー / Chief Sustainability Officer 河合 将文

私たちは、理念の実現に向けて投資活動を持続的なものとするため、幅広いステークホルダーへの貢献を考慮に入れた投資に取り組んでいます。

主な取組みとしては、2022年2月にESG投資方針を策定し、それに基づき独自のESGチェックリストを整備の上、投資検討時に重要課題を特定するプロセスを設けています。また、投資後には同課題に関する経営者との継続的な対話を行い、ESG経営を支援するためのサービス提供や啓蒙活動等を実践してきました。

これまで、シードVCのESG投資の在り方については試行錯誤の連続でしたが、ようやく一定の基盤が整ってきたのではないかと感じています。まだまだ至らない点は多いですが、今後段階的に充実を図っていく所存ですので、少しでもエコシステム発展の一助となれば幸甚です。

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ ポートフォリオ&パートナーシップマネージャー 宮原 綾子

ESGという言葉は現在資本市場を中心に広まっていますが、スタートアップのエコシステムにおいても無関係ではないと考えています。スタートアップ自らがESG経営の理念や企業文化を早い段階から育むことで、自社の体制強化や制度構築のスムーズな着手につながり、結果として企業価値の最大化に繋がるという正のサイクルが創られると私たちは信じています。 また、ESGという一種の共通言語を通じて多様なステークホルダーとの対話の機会がもたらされることの価値も特筆すべき点だと思います。社内外のステークホルダーとの対話を通じて、スタートアップが自らの企業価値や存在意義を再評価したり、因数分解を行うプロセスこそが大事なことではないかなと考えています。

より多くの方に本レポートを読んでいただき、様々なステークホルダーとの新たな対話の機会創出に繋がりますと幸いです。

デザインに込めた思い

OH ブランド・パートナー 割石 裕太氏

ESGレポートの発行にあたり、ジェネシア・ベンチャーズのコーポレートアイデンティティである正二十面体をベースに、ESGを3つの色に見立て、そこにジェネシアカラーである青色を加えた4色が混ざり合うことで立体的にも見えるグラフィックを作成しました。 立体的に見えるグラフィックは「ESGを机上のもの(平面)で終わらせず、現実のもの(立体)とする」というメッセージを込め、ESGに対するスタートアップの取り組みを影から下支えするジェネシアの立ち位置を表現しています。

レポート概要

  • 名称:Genesia Ventures ESG Report 2023
  • 調査期間:2023年4月〜5月
  • 調査対象:株式会社ジェネシア・ベンチャーズの国内スタートアップ投資・経営支援先
  • 有効回答社数:91社

本レポートを引用・参照される際には、出典とレポートへのリンクを必ず明記(株式会社ジェネシア・ベンチャーズ作成『ESGレポート2023』、URL:https://www.genesiaventures.com/genesia-ventures-esg-report-2023)ください。

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