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東南アジアNight Vol.1[中編] -人生を拓く、世界への挑戦-|Players by Genesia.

EVENT

先駆者や前例がまだほとんどなかった時期から、いち早く“東南アジア×スタートアップ”に挑んできた六人。彼らは一様に、その挑戦を楽しんでいました。

私たちは、人生を楽しむ舞台をどう見出すか?

ジェネシア・ベンチャーズのGeneral Partner 鈴木が発起人となり、東南アジアで奔走する“Players”が登壇したイベント「東南アジアNight Vol.1」のレポートをお届けします。

「5倍出すから、明日から来てよ」

安倉:

東南アジアの人が自社の情報を結構しゃべっちゃう、っていうところでいうと、一個それに紐づいた市場調査テクニックがあって。タカさんの話のとおり、面接とかに行くと何でもべらべらしゃべっちゃうんですよね。だから、市場調査をするときに、「現地責任者を採用します」みたいな、採用目的っぽい投稿をLinkedInにしてDMも送りまくる。そうすると、同業や競合のわりとハイクラスの人とかが面談に来る。それで、KPIとか聞き出すと、しゃべってくれるんです。それをもとに事業計画のシミュレーションをつくる。

鈴木:

LinkedInが発達してるからね、よくわからない進出コンサルタントを使ったりするよりも、そうやって自分たちのカテゴリに近い企業の人に、面接を装って会うのは一つあり。
(キム)テソンは、楽天インドネシアを立ち上げて、その後に自分で創業してるけど、楽天インドネシアで一年目に採用した人は全員一年後に辞めてるって言ってたよね。そんな、楽天インドネシアでの離職率の高さからの反省と、その後に今VIP Plazaで比較的リテンションの高い組織を作れてる、そこにどんな差分があるのか聴かせてくれる?

キム:

インドネシアに行った当時は24歳で、日本のことしか知らず、当然ローカルマネジメントなんてよくわからずに、日本の楽天で二年間学んだことを実践して、ただ失敗しましたね。数字ドリブンの厳しいオペレーション、マイクロマネジメント、時間にも厳しい感じで。朝会もやってたんですが、一秒でも遅刻したら参加できない、みたいな文化。そしたらみんな辞めちゃいました。それからいろいろな経験をしてきましたが、基本的にマネジメントで大事なことは、日本と変わらないなって思いました。また、インドネシアに10年いてわかったことは、あえていうと、結局「お金」が重要だということです。人材の流動性が高いのは、つまりはお金によるところなんです。需要と供給が完全に一致していない。インターネットわかる人、スタートアップで働ける人、デザイナー、エンジニア、みたいな希少なタレントに対する需要に、供給が追いついていない。まだまだ小さな市場に海外からの巨大な資本が入ってきていて、人材の奪い合いをしています。スタートアップはどんどん採用するので、供給が足りなくて、そうなると需要供給バランスで、給料は上がります。月額給与2-3万円で採用してがんばって育てた人が、二年後には数倍の給与で競合に引き抜かれる。でも、それは悪いことではありません。普通のこと。この需給バランスはどうしようもないから、基本的にマネジメントする側は、すべての人が1-2年で辞めることを前提に組織を作っていくことが大事だと思います。給料が数倍になるというオファーを受けて、行かない人はいないです。日本では、現職で月給20万円の人に、競合他社が「100万円出すから明日から来てくれ」なんてことは絶対に起こりませんが、東南アジアではリアルに起こります。根本的に、そこは日本との大きな違いですね。

鈴木:

「お金」の話が出たけど、安倉くんは立ち上げ当時、一軒家を借りて、2Fで奥さんと0歳の子どもと生活して、1Fをオフィスにしてファミリー感を出していたけど、その意図は何かあったの?

安倉:

従業員のリテンションについては一種のあきらめと、一方で、創業期には絶対にこの人に辞めてほしくないという人がいますから。そういう人たちをリテンションさせるには、十河さんのいう「経営の透明性」もあると思うんですが、自分の場合はそれに加えて「社員と家族になる」という方法を選びました。自分が家族と住んでいる一軒家の1Fをオフィススペースにしていました。それで、社員が夜遅くまで働いていたら、僕がたこ焼きを作ってあげるとか、もうねっとりと・・社員側も、まだ産まれたばかりだった長男をすごくかわいがってくれました。その頃のメンバーはめちゃくちゃ優秀で、今も会社にいてくれています。

鈴木:

手島さんは、ローカルでは採用していないと思うけど、エンジニアを育てるという領域で、今後、ローカルの才能を発掘してトレーニングして、日本やアメリカでも通用する人材を育てるといったアイデアなどは持っていますか?

手島:

今は日本人100%で、海外を志したい一部の優秀層を採用して、海外の案件とマッチングさせています。そういったメンバーが集まる仕組みとして、東南アジア各都市でシェアハウスの運営などもしています。ベトナムやフィリピンは今、オフショアビジネスが盛んですよね。そういった日本人経営者と雑談するが、ローカル人材をマネジメントするのはすごく難しいという話を聞きます。なので、自分はあえて今は触れていません。日本ブランドで、ピュアに海外にハイクオリティな技術を提供しようということを選択しています。もし仮に、海外でローカル人材をイチから採用して育成して組織を作るなら、よく言われているのは、とにかくローカルで優秀な「マネージャー」を採用すること。日本人が直接、最後までエンジニアをマネジメントするのはすごく難しいと思うので、本当に信頼できて日本のカルチャーを理解している方が見つかれば、現地でチームを作るのもありかとは思います。

鈴木:

日本のエンジニアのスキルは、東南アジアやグローバルで見るとどうですか?

手島:

ポジショントークになっちゃいますが、絶対にグローバルで通用すると思っています。ただ、よく言われるのは、やっぱりコミュニケーションの問題ですね。USは特に、エンジニア採用の単価が上がっています。日本人エンジニアの単価は、彼らの1/3くらいです。そういうところに提案しに行くんですが、英語圏から見ると、コミュニケーションがまず不安と言われますね。その打破が、目下の課題です。フロントにUSのカルチャーを理解してしっかりとコミュニケーションが取れる人を立たせる、などと欧米圏のクライアントには話します。
ベトナムでオフショア経営している人が言うのは、ベトナム人はすごく優秀だが、生まれながらのクオリティ感覚が日本人とはかなり違うということ。日本人の顧客案件をベトナムに発注すると、品質の問題でかなり苦労します。そういった点で、日本人には「質の優勢性」があると思っています。

カルチャーとルール、WHYとHOWの必要性

鈴木:

話を戻すと、離職率が高いということを大前提に、船瀬さんのようにCI(コーポレートアイデンティティ)を定めたり、AnyMindやVIP Plazaのように全社総会をやったりしているところがある一方で、東南アジアではCIやカルチャーに投資するところがあまりないような気がするけど、個人的にはすごく価値があると思ってます。例えば、Tokopediaには自分が初期投資家で入っていて、サイバーエージェント流のカルチャーづくりをローカライズしたら、いい若手が採れて、長く活躍してくれたことで勝てたと思ってます。一方で、GojekやGrabなどにCIはなくて、お金で採っていてロイヤリティがないと言われてました。そんな中で、実際にCIを定めてよかった具体的な事例などありますか?

十河:

完全にアグリ―です。サイバーエージェントやリクルートの企業文化はアジアで通用するし、競争力になると思っています。僕らもこの三年半で急成長できたのはそこだと思っています。創業時から毎月カンファレンスコールで全社締め会をしてきました。ミャンマー人もカンボジア人もタイ人もみんなで。全員が一同に介する「オールハンズ」と呼んでいる社員総会もしっかりと開催してきました。今は600人を超えて、四半期に一回だったものが半期に一回に、さらに今年から年一回になってしまうんですが、そのオールハンズが楽しみで働いてくれている人も実際にいます。年一回になってしまうことにショックを受けてくれてるんです。その感覚があるから、国ごとの競い合いの文化もできています。タイでうまくいってるのに、かたやフィリピンは?みたいな。東南アジアの人たちは隣の国のことを結構気にしていたりするので、そういった環境を用意して、一つのグループだけど競い合いもある。それがAnyMindの文化になっていて、急成長を作ったと思っています。

船瀬:

拡大期に、やることがたくさんあって、HOWの話が多くなっていたとき、新卒一年目の女性から「Yutaは、HOWが多いけどWHYがない」と指摘されて、脳天をぶんなぐられたようなショックを受けました。Harvard Business Reviewなどで叫ばれている「WHYリーダーシップ」みたいなことが、東南アジアの新卒一年目でも当たり前に浸透している、ジェネレーションZ世代にはもうそういうことが大事になっているんだ、と気づきましたね。あとは、リクルートに買収されて、噂だけかと思っていたんですが、リクルートには「何がしたいの?」という語り掛けの文化が本当にあって。そういうボトムアップのオーナーシップを育てるなと感じました。実際、東南アジアでも導入しています。使えるコンセプトは翻訳せずに、いいものはそのまま使っています。例えば、「守破離」とか。リクルートでもよく言われてる言葉なんですが。営業の型化ってしんどい作業じゃないですか。スクリプトをしっかりとフォローして、同じことをし続けなくてはいけない。同じことを言い続けなくてはいけない。これをなぜやらなくてはいけないのかを見事に説明したのが「守破離」なんですよね。「守」をやり切った人が自分で新しい流儀を生み出して「破」になって、独自のスタイル「離」になるんだよ、という。このコンセプトは、今も全くそのまま伝えています。うちの営業マネージャーは、毎日言っています。他にも、ミーティングのアイスブレイク的な意味での「チェックイン」とか。これもバズってます。使えるものはどんどん引っ張ってきて使っていますね。

キム:

コーポレートカルチャーやビジョンが大事なのは当然として、付け加えるなら、コアバリューというかルールは結構大事ですね。例えば、インドネシアは良くも悪くもゆるやかな国民性なので、朝遅刻したり、だらだら長い時間ミーティングをしたりしてしまいます。それでうちでやってたのは、ミーティングを三つに分けることです。「進捗確認」「決断」「アイデアシェアリング」の三つです。「アイデアシェアリング」は、何時間やってもOK。「進捗確認」と「決断」の二つは10分以内にやりましょう、そのためにミーティングルームを使うの禁止、って決めました。みたいな、ポジティブで楽しいルールを随所に設けて守ってもらうようにしました。

安倉:

原理原則があった上での、カルチャーへの投資だと思っています。さっきの、家で働かせて家族になる・・というのもカルチャーメイキングへの投資の一つですが、あるときから、社員がアポに行かなくなったんですよね。居心地がよすぎて。それで、売上が踊り場になったタイミングでオフィスビルで働いてもらうようになりました。素晴らしいビジョン、良いカルチャーで社員のリテンションを上げる、というのは間違いなく優位性になると思いますが、それとセットで、バリューやインセンティブなどのルールの設定がないと、緊張感が全くない、ただの居心地の良い会社で終わってしまう。東南アジアでは、日本でやっている以上にその必要性を感じます。

鈴木:

Tokopediaやそれ以外でも、CI・ビジョン・ミッションに投資できる起業家とまったく投資できない起業家とにはっきりと分かれている感覚はありますね。それは日本でも同じだけど。驚くほど、スタートアップは採用の失敗が多いと思ってます。初期にとにかく人が必要で、何に優先順位をつけるかというと、特に東南アジアはカルチャーフィットではなくスキルフィットで採用して、その結果リテンションしなくなってしまってると思います。だいたい辞めちゃうし、スキルフィットで採ると優秀な人が多く、下手すると起業家よりも頭がよかったり実務スキルが高かったりする。そうなると結果的にその人が組織の癌になったりもする。Tokopediaの事例で言うと、共同創業者二人とその仲のいい友達を四人誘って創業し、中心メンバー六人でやっていたんだけど、一番人数が多いチームをその四人のうちの一人に任せていたら、謀反みたいなことが起こったんですよね。そのときが全体で30人くらいの組織で、うち15人くらいのチームを彼が見ていて、ファウンダー二人で残りの15人を見ていた状況で。「俺の方が組織をわかっている」と言って、そのチームを引き連れて謀反、みたいなことが起こりかけたんです。日本だと会社法の関係で原則、解雇できないですが、そのときは2-3ヶ月の給料を退職ボーナスとして出すことで早期に辞めてもらいました。

日本人が考えもしない、債権回収の「罠」

鈴木:

さて、ここまでマネジメントの話をしてきましたが、もう一つのアジェンダとして、各国の規制やレギュレーション、外資で会社をつくる難しさってたくさんあると思うので、そのあたりの話を聴きたいと思います。どういう感じでテクニカルに会社を作ったり、スピーディに海外展開を推進してきましたか?

十河:

各国で状況が違いますが、どんなビジネスをするかで取得するビジネスライセンスが変わってきますよね。中でも、インターネットビジネスは優遇されているケースが多いです。例えば、タイでは、テック企業だとBOIという優遇ライセンスを取得できて、ビザの優遇があったり、法人税が数年間軽減されたり、という措置が受けられる。各国でやるビジネスと、それに必要なライセンスの調査と理解は大前提として、例えばタイならBOIでビザの優遇があるからエンジニア採用に効くなど、各国に散らばっているTipsのようなものをうまく活用するといいと思います。

鈴木:

AnyMindは、各国に現地法人を作ってローカルの会社と取引をしていると思うけど、GoogleやFacebookはもともと現地法人を作っていなかったから、インドネシアtoシンガポールなど、国をまたいだ取引をやってましたよね。GAOGAOは、クロスボーダーの売上を扱うときには、そのあたりはどうですか?やっぱり現地法人を作った方がいいと思いますか?

手島:

必ず現地法人を作るようにしています。そして、その拠点ではその国でのビジネスしかしないようにしています。本社がシンガポールで、税金のメリットなどがあったりするので、送金はシンガポールを通してもらったりはしていますね。

安倉:

キャッシュフローや債権回収のところには、かなり罠があると思っています。日本にいると、お金を払ってもらえるのは当たり前のことだと思いますが、東南アジアではプッシュしないと払われないのが当たり前。広告ベンダーという立ち位置でグローバルのトップ広告代理店と取引しても、そもそも契約書からして三ヶ月の支払いサイトとかで、それでもきついんですが、暗黙のルールみたいなものがあって、契約書記載の期間+三ヶ月までOK、オンタイムで払ってほしければ5%バックしろ、みたいな。そんなことがデフォルトだったりもします。インターネット広告市場自体がまだ成長半ばで、一部の大きなブランド広告主及びそれに紐づく代理店にしか大きな予算がないので、ベンダーやメディアは立場が弱くて交渉力がないという状況もあり。なので、東南アジアの企業ではファイナンスチームに、どれだけオンタイムで回収できるかというインセンティブ設計やKPI設定があったりします。相手方のファイナンスチームにおみやげを持って訪問するなど、営業チームがするような関係構築をすることもあります。それくらいやらないと回収できないんですね。

十河:

回収リスクは確かにありますね。あともう一つ、海外送金の件でいうと、例えばベトナムではレッドインボイスという、現地法人でないと発行できない請求書があって、それがないとGoogleもFacebookも使えないんです。現地法人を置くメリットは、そこにあります。元々、Googleはシンガポールを拠点にしていましたが、ベトナムから送金できない、国をまたいだ送金をしたがらない会社って結構あるんです。タイやベトナム、インドネシアはそういう傾向があります。二重に源泉をとられてしまうというデメリットも存在してます。現地法人を置くメリットは、そういうところが楽になるのと、ローカルtoローカルで泥臭い営業ができるところ。一方で、デメリットはやっぱり債権回収ですね。

鈴木:

東南アジアに進出するとなると、とりあえずシンガポールに行く、という企業が多いと思うんだけど、そのあたりはどう思いますか?

キム:

ありだと思います。僕はインドネシアから始めて、事業が伸びてきたので資金調達しようとしたときに、インドネシアの現地法人だと外資規制などのレギュレーションも複雑だったり、コロコロと変更が行われたりとリスクがあって、投資家に嫌がられました。しかも、インドネシア政府は海外からの投資を規制していて、投資調整庁にお伺いを立てて承認をもらわないとお金が入ってこないんです。スタートアップで、三ヶ月後にキャッシュアウトするから資金調達しようと思っても、投資調整庁のOKが出ないと一生お金が入ってこない。リードタイムもわからないし、時間がかかったからといって通るのかどうかも全くわからない。そういうリスクがあるので、投資の最終調整段階の前にシンガポールに本社を変えて、インドネシアをブランチにしました。そうすると、投資家からも数日でお金が振り込まれてきました。うちの場合は、それからその資金を本社からブランチに貸し付けます。増資(投資)ではなく貸し付けなので、数日で振り込まれます。はじめから増資(投資)となると投資調整庁が入ってきますが、それなら実害はありません。そんなメリットがいくつかあるので、シンガポールにストラクチャを置くこと自体はいいと思います。が、やっぱり現地でのビジネスのやりやすさの問題などもあるので、事業についてはまたそれぞれで考えるべきです。

「パッション」と「ビビらないマインド」

鈴木:

さて、今日は起業家だけでなく、海外で働きたいという人も参加してくれています。みなさんから見て、東南アジアにどういう人が来るとスタートアップで活躍する、どんなマインドの人だといいな、というのはありますか?

十河:

たぶん、海外どこでもそうだと思いますが、「パッション」と「ビビらないマインド」を大事に考えています。なぜなら、情報量の差が大きいから。自分が新しい国に行くとして、現地の人が持っている情報量と自分が持っている情報量では、間違いなく大きく違いますよね。ディスアドバンテージがあります。その情報格差をなくしていくには、どれだけビビらずに動けるかが勝負。ローカルコミュニティにしっかりと入っていけるか。それは、営業、コーポレート、どちらにでも言えることだと思います。その国で勝負するなら、どれだけその国に関する情報を持っているか。それによって、意思決定もパフォーマンスも変わると思います。日本で培った経験や能力だけで勝負しようとするとうまくいきません。(ちなみに、絶賛採用中です!)

手島:

自分が普段関わっているのは日本人エンジニアなので、そういった観点でいうと、エンジニアはパッションはそこまで・・なんですが。みなさんが不安に感じるのは英語だと思うんですが、最近、若手のメンバーが現地のスタートアップに入ったんですが、彼は全然英語ができないんですね。でも、アクティブにコミュニケーションをとるタイプだったことで、お客様にもかわいがられて信頼されてプロジェクトを進めることができました。特に東南アジアは英語に寛容なので、躊躇しないでとりあえず行ってみて、現地の方とコミュニケーションをとるといい思います。

安倉:

みなさん、海外に出るときの英語力はどれくらいでした?

鈴木:

全然。留学していたのは(キム)テソンくらいだよね。どうにかなっちゃうよね。

手島:

最近、ビジネス英語の本を買って勉強してます。セカンドランゲージ同士はなんとかなります。

鈴木:

英語はあくまでツールなので、それをどう使いたいかという想いの方が大事。もちろん、しゃべれた方が絶対にいいので、ツールを磨く努力もした方がいいですが、それだけではないと思います。
ただ、東南アジアに来ている人の中にも、日本人同士で固まってる人たちっているんですよね。で、だいたい「ローカル使えない」っていう、楽しくなさそうな話ばっかりしてる。僕たちは今回、「苦労話しようぜ」って言って集まったけど「・・苦労あったっけ?」ってなった(笑) そのときはたしかに大変なんだけど、起こった事象に向き合って、楽しめることが大事だなって改めて思いました。多様性を受け入れる力というか。そんな僕たちは、日本人と群れずに来たと思っています。安倉くんは特に、日本人と会わないようにしていたと言ってたけど、ローカルに溶け込もうというその姿勢や価値観はどこから来たんですかね?

安倉:

おそらくは、自分の意志で海外に出たかどうかだと思います。海外でも日本人同士で群れていたら、海外にいる意味がないなって。だったら、日本の方が生活環境もいいんだし、日本にいればいい。そうではない選択を、会社からの指示でもなく自分で選んだからには、日本では味わえない経験をして、海外に出たという選択をあとから正解にしたい、日本にいる人とは違う尖り方をしたい、と思っていました。

鈴木:

その原体験とかって?

安倉:

幼少期からですかね・・人と違うことをしたいとずっと思ってた。そういうレベルの話だと思います。

船瀬:

僕の場合は、初めて海外に行ったのは大学時代の留学のときで、日本人と話していても英語が上達しないと思って日本人と関わらないようにしたのが最初だと思います。それで実際、他の日本人と比べても英語力は伸びたと思うので、その経験から、やっぱり海外に出るときには日本人と群れない、海外コミュニティに入る、というのが原体験になったと思います。僕らも、当初はつるまなかったですよね。けど、こうして今話していると、マインドは共有できていたんだなと思います。

キム:

まず言えるのは、ローカル言語ではなく、英語を身に着けた方がいいということですね。一時期、インドネシア語をがんばって勉強していたときに、マレーシアやタイに進出しようという話になって、今まで学んだインドネシア語!意味ないじゃん!てなりました(笑) 駐在員を見ても、他の東南アジア国にスライドで異動する人を多く見ました。現地の方はみんな大学を出ていれば英語をしゃべれますからね。あとは、現地で日本人を避ける必要はないと思います。会社経営していると、改めて商社やメーカーの方へのリスペクトがめちゃくちゃ高まるので、絡む人を選んで、良きに計らえばいいと思います。

十河:

十河さんは経営者ファミリーで、ずっと「起業したい」と言っていたよね。その上で、グローバルに視点がシフトしていったのは、どういう経緯だったんですか?

十河:

漠然と「でかいこと」をやりたかったんですよね。だとすると、「でかい市場」で勝負しようって。そうなると、人口が重要になってくるので、日本だけよりも、圧倒的にグローバル展開している企業をつくりたい思っていました。その感覚は、前職時代に東南アジアで事業の立ち上げをしたことが大きいと思います。意識しているのは、その国で勝負するならその国で圧倒的に優秀で活躍している人たちとコミュニケーションをとりたい、ということ。その人の国籍なんてわからないですが、市場で活躍している人との学びの時間を大切にしています。

鈴木:

手島さんはLINEのころから知ってますが、エンジニアの中では比較的コミュニケーションがとりやすいタイプだと思ってました。が、それでもエンジニア気質がある中で、なぜ海外で挑戦しようと思ったんですか?そういうステレオタイプな分類でこのような質問はよくないと思いつつも、やっぱり内向的なイメージはあって。その上で、なぜ外に?

手島:

原体験は、学生時代にUSのGoogleやTwitter視察に行ったことだと思います。世界中から一発当ててやるみたいなエンジニアが集まっていたんですよね。かたや日本に戻ってくると、SIerという構図で、土方みたいなイメージの人がたくさんいました。一方で欧米では、エンジニアは医者や弁護士と並ぶステータスをもつ職業だと言われていて。それを感じてから、いつか海外でチャレンジしたいと思っていました。日本でもエンジニアの社会的地位は少しずつ上がってきていると思いますが、よりクリエイティブかつグローバルにエンジニアの活躍の場を伸ばしていきたいです。

[後編]は、2月7日(金)に公開予定です。

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