シードVCのジェネシア・ベンチャーズがESG投資方針に基づき提供する、投資先スタートアップ向けのサービス群『ESGソリューション』をアップデート ~メンタルヘルス・ハラスメントの外部相談窓口機能を拡充~
シード・創業初期のスタートアップに投資と経営支援を行う、株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(代表取締役:田島 聡一、本社:東京都渋谷区)は、ESG投資方針に基づくエンゲージメント活動の一環として2022年7月に提供を開始した、投資先スタートアップが利用できる各種サービス群(ESGソリューション)のアップデートをお知らせいたします。
今回のアップデートでは、株式会社With Midwife(ウィズミッドワイフ|代表取締役:岸畑 聖月、本社:大阪府大阪市、以下:With Midwife)の企業伴走型支援サービス『The CARE(ザ・ケア)』を導入し、投資先スタートアップ向けのメンタルケア・ハラスメントの外部相談窓口の機能を拡充いたしました。
※まずは当社内でのテストトライアルを実施します
※投資先スタートアップへの提供は2024年11月以降を予定しています
『ESGソリューション』提供の背景
ジェネシア・ベンチャーズは、2021年12月にPRI(責任投資原則)への署名を実施[*1]、合わせてESG投資方針を策定[*2]しており、投資先スタートアップの長期的かつ持続的な企業価値の向上と社会課題の解決を通じて、私たちのビジョンである「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会」の実現を目指しています。
[*1]PRI署名に関する詳細はこちら:https://www.genesiaventures.com/signed-pri/
[*2]ESG投資方針はこちら:https://www.genesiaventures.com/esg-policy/
その上で、ESG投資方針に基づくエンゲージメント活動の一環として、組織リソースが限られた初期段階のスタートアップによるESG経営を支援するため、投資先スタートアップが利用できる各種サービス群『ESGソリューション』の提供を2022年7月より開始いたしました。
『ESGソリューション』の提供・実施メニュー
- 公益通報制度社外窓口
- ガバナンスへの意識を高める勉強会
- ハラスメント
- 労務管理
- SNSリスクマネジメント
- ステルスマーケティング規制 ほか
- メンタルヘルス・ハラスメント外部相談窓口(※今回アップデート)
今回のアップデートについて
メンタルヘルス・ハラスメント外部相談窓口機能の拡充
これまで約160社のスタートアップに投資、その経営に伴走してきたジェネシア・ベンチャーズでは、そこで起こる課題や問題にも直面してきました。
スタートアップは、革新的なイノベーションと短期での成果を求められるハードな環境でありながら、大きなビジョンの実現・長期的なゴールを目指す長い旅でもあります。そのような環境の中で、起業家や従業員は、過密なスケジュールや高いストレスレベルに晒されがちで、心身の問題を引き起こすことが少なくありません。
また、若い世代や女性起業家、セカンドキャリアとしての起業も増える中で、子育てや介護などのライフイベントとの両立が可能な環境整備の必要性も高まっています。
さらに、スタートアップではフラットでオープンなコミュニケーションが奨励される一方で、その非形式的な環境がハラスメントなどの問題を引き起こすことがあります。2024年7月に報告されたスタートアップ業界の現状についてのインターネット調査では、女性起業家の52%が性的ハラスメントを経験という結果が発表されました[*3]。
このような問題への対応として、適切な相談体制の整備や専門家の介入、予防策の導入は急務だと私たちは考えています。しかしながら、スタートアップにおいては規模が限定的なため、社内制度で相談窓口を設置することはSUにとって難しかったり、多忙な中で社外の相談窓口を探すのが難しかったりするのが現状です。また、資本関係がある以上、私たちのような投資家 / 株主と相対したとき、スタートアップの立場はどうしても“弱く”なりがちで、本音を言いづらい環境も存在します。そのため、第三者かつ専門家の立場でフラットなコミュニケーションでスタートアップからの相談に対応いただける外部窓口を設置することに意味があると考えています。
そこで今回、国家資格を持つ医療専門家(助産師や看護師など)の「寄り添う(care)」チカラで、働く人の課題・問題に伴走・解消するサービスを提供する、With Midwifeの『The CARE』の導入を決定し、投資先スタートアップ[*4]でメンタルヘルスの相談ニーズや、ハラスメントなどが発生した場合の外部相談窓口の機能を拡充する運びとなりました。
[*3] 女性起業家の52%が性的ハラスメントを経験 – 日本のスタートアップ・エコシステムの構造的課題と解決の方向性:予備調査|株式会社Eirene Universityのプレスリリース(2024/7/19):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000041658.html
[*4] 起業家、経営チーム、従業員、そのご家族、業務委託やアルバイトなどのメンバーを含みます
『The CARE』の特徴と機能
- 相談窓口
ライフイベントやキャリア、ハラスメントをはじめ社内でのトラブルについてなど、あらゆる困りごとに対応する相談窓口で、専属の医療専門家にチャットやビデオ通話で気軽に相談が可能(英語での対応も可能) - コラム配信
アプリを通じて、健康やライフイベントに関するコラムを定期的に配信 - ウェルネス診断
ストレス状況の把握と高得点者への介入のための「ウェルネス診断」を適宜実施。継続的にフォローとセットで、不調の顕在化や離職に至る前の心身の不調を早期に解消 - コンサルティング
企業ごとの利用データを月次でレポーティング。各社の課題を分析・改善策を提案
※まずは当社内でのテストトライアルを実施します
※投資先スタートアップへの提供は2024年11月以降を予定しています
担当者のコメント
株式会社With Midwife 代表取締役 岸畑 聖月氏
私自身、15名ほどのチームの会社を経営する者として、メンバーそれぞれがハードシングスが多い中で自分自身をケアしながら進むということの重要性をとても理解しています。また、社会全体として労働者が目減りしていく中で、自身の健康やライフイベント、家族のケアなど、何かしらの”事業に集中しきれない問題”を抱えながらはたらく人は増えてきます、今回、起業家をサポートするジェネシア・ベンチャーズ様と組み、社内そして社会変革に挑む投資先会社の皆様に私たちのケアを届けられることを大変嬉しく思っております。事業成長に欠かせない大切な従業員様とそのご家族が豊かであり続けられるよう、「The CARE」は責任を持って伴走支援してまいります。
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ Senior Portfolio & Partnership Manager 伊藤 実希
ジェネシア・ベンチャーズでは、2022年7月より投資先スタートアップのメンバー皆さんに活用いただけるメンタルヘルス・ハラスメント外部相談窓口を設置してきました。高熱が出た時や怪我をした時とは異なり、心の不調や不快感について外部に相談することはどうしても後回しになってしまいがちですが、With Midwifeが提供する『The CARE』は忙しい日常を送る中でも相談しやすいUI/UXになっています。日々挑戦し続けるスタートアップの皆さんにとっての心の拠り所となり、心身ともに健やかな状態で過ごすための一助となることを願っています。
With Midwife 会社概要
会社名 :株式会社With Midwife
WEB :https://withmidwife.jp/
設立 :2019年11月1日
所在地 :大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 QUINTBRIDGE303
代表者 :岸畑 聖月