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「優位感覚」って何だろう?|@GVチームランチ

NOTES

本稿は、私たちのチームビルディングの取り組みについて(まだまだ発展途上ではあるものの、そのトライ&エラーの経過も含めて)ご紹介する連載の一部です。

こちらにも書いたとおり、私たちは、
・明確な答えがない”問い”に対して私たちらしく考え続けること
・そして実際に、私たちらしくアクションし続けること
・その中にまた、私たちらしさを見出していくこと
という姿勢を持ち続けていきたいと考えていて、その機会として、月に一度、1.5時間ほどランチの時間を利用して、相互認識を深めるようなテーマでコミュニケーションをする、ということを始めました。

言い出しっぺ兼ファシリテーターとして設けたコンセプトは、
・THINK about D&I / Diversity for Innovation(仮)
・お互いの考え方や感じ方の「違いを認識する」会

つまり、”各メンバーの「自己認識」と「自己開示」をベースに、ディスカッションではなく、「相互認識」(違いやありのままをそのまま受け止め合う)時間“という設定です。

なお、その設定を実現するために、事前の内省のしやすさ、当日の話しやすさなどを意識したテーマづくりや場づくりをしているつもりですが、このあたりはもっと深めたいところ。(このあたりの学びや実践・反省などの共有も、また別の機会にできたら・・)

さて、今回のテーマは、私たちが「コーチング」を学んできた中でも登場した【優位感覚】についてです。

1.優位感覚とは?

人は五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)を通じて情報を得ていますが、どの感覚から得た情報に頭と心が反応しやすいかは、人によって異なります。

それを「優位感覚」と呼びます。

優位感覚とは、どの感覚をより多く使う傾向にあるかという“脳のクセ”のようなもの。そのクセは人によって異なるので、その人の優位感覚が何かによって、同じ出来事に対しても人によって感じ方やインプットのしかたが異なってくるのです。

一つの感覚が抜きん出ている場合もありますし、どれも同じように優位な場合もあります。そして、これはあくまで“脳のクセ”なので、学校や職場といった環境の中で、今まで弱かった感覚が鍛えられるということもあります。

2.優位感覚の分類

多くは、

👀視覚優位
👂聴覚優位
✋触覚(身体感覚)優位

の3つに分類されるようですが、4つ目に、

💭言語感覚優位

が加わるケースもあるようです。それぞれの特徴とされるポイントをまとめました。

▼視覚優位タイプ

・特に目から入る情報で物事を認識する
・絵や図やフローチャートなどで理解するのが得意
・話し方や書き方も「空間」「色」「明るさ」など視覚的な表現を好む
・目から入ってくる情報に反応しがちなので、気持ちがあちこちに飛びやすい
・言葉だけで出される指示は覚えにくいので、何かを記憶するときは紙などに書く方がよい
・早口で話の展開が早く、主語が抜けてしまうようなタイプ

▼聴覚優位タイプ

・音で物事を捉えるのが得意で、相手の声の変化などにも敏感
・聞いて学習するのが得意なので、音声コンテンツなども効果的
・話し方や書き方も「騒がしさの程度」「聞こえてくる音」など聴覚的な表現を好む
・言葉で伝えられたことを理解し、そのまま繰り返すことができる
・騒音があると集中できないので、集中するときには静かな環境を整えるのがよい
・論理的で手順を大事にし、物事を分析するのが好きなタイプ

▼触覚(身体感覚)優位タイプ

・身体で体験したことや手で触れたことを認識しやすい
・体験やロールプレイ、語呂合わせやリズム感、身体を動かしたりすると記憶が定着しやすい
・話すときは身振り手振りが多く、「温度」「肌ざわり」「そこから湧き上がる感情」などの表現を好む
・一つのことをじっくりと味わうことが好き
・早口で話されたり高速でスライドを切り替えられたりすると情報処理が追い付かなくなることがある
・見聞きしたことを身体で受け止めてから反応するため、ゆっくりとした話し方が特徴

▼言語感覚優位タイプ

・誰かと話し合うことや、メモを取ったり文章にまとめたりすることで理解を深める
・既存の方法よりも、自分なりのまとめ方やメモの仕方を見つけるのも効果的
・例え話やストーリーなどと関連づけたりしながら記憶するのも効果的

3.簡易チェック

その上で、私たちは以下のチェック項目を使って、自分の傾向をつかんでみました。A~D、どのカテゴリに一番多くチェックがつくでしょうか?

▼A
1.イラストや図形、マトリックスなどを使うと上手く記憶できる
2.何かを覚える時は、イメージを思い描くと覚えやすい
3.話を聞くときは、話し手の顔の表情や身振り手振りをよく見る
4.口頭で言われるより、書面の指示の方が従いやすい
5.話の内容が見えてこないとつらくなる

▼B
1.教科書の資料を読むより、講義を聴く方が頭に入る
2.声を出して読むと理解が増したり、記憶に残る
3.言葉で伝えられたことを、そのまま繰り返すことが割と簡単にできる
4.声の調子や言葉に反応しやすい
5.歌などは、聴いただけで歌詞を覚える

▼C
1.読んだり、書いたりする前に、まずやってみたり体験することで覚える
2.指を動かしたり、身体を動かしながら話したりすると覚える
3.手を使ったり(パソコンなど)、物を作ったりすることが好き
4.言葉のリズム感を大切にする
5.道具や文具は触感を大切にする

▼D
1.頭の中でいろいろと考えている時間が多い(長い)
2.話すことや書くことの意味が通じるかにこだわる傾向がある
3.話す前に書いたり、文章にまとめると理解が進む
4.事実やデータに自分の考えを関連づけてまとめるのが得意
5.話しながら整理していくので、話が長い

どの項目にチェックがより多くついたかで、優位感覚の傾向をつかむことができます。

▼Aが多かった場合:視覚優位
▼Bが多かった場合:聴覚優位
▼Cが多かった場合:触覚(身体感覚)優位
▼Dが多かった場合:言語感覚優位

なお、最初にも書いたとおり、一つの感覚が抜きん出ている場合もありますし、どれも同じように優位な場合もあります。そして、これはあくまで“脳のクセ”なので、学校や職場といった環境の中で、今まで弱かった感覚が鍛えられるということもあります。

ジェネシア・ベンチャーズのメンバーのチェック結果はこんな感じでした↓

画像2
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4.実際にどんな傾向がある?

次に、自分の優位感覚を意識しながら、その傾向として思い当たる行動をそれぞれ挙げてみました。

A:視覚優位
・何かを覚えるときは、絵や図があるといい。人に説明するときも、図を使うことが多い
・文字やイラスト、映像の方が記憶に残りやすい。その上で発声や運動でさらに記憶が強化される
・聞いただけだと忘れがち。メモする
・オンラインミーティングのとき、話を聴くよりも、シェアされている画面を読むことに集中してしまうことがある。講義やセミナーなどでもそうかも
・何かを見せられながら話をされると、資料の文字の方に気が向き、声が邪魔、という感じでごちゃつく
・人の名前が覚えられない(視覚が優位に働いているから、名前という情報が入ってきづらい?)
・物事を全体像からブレークダウンするのが好き。逆に点だけの話をされると違和感を感じて理解しにくい
・全体⇒部分、結論⇒経緯など、まず全体感を掴み、その後に詳細に入るコミュニケーションが心地いい
・スタートアップのビジネスモデルを聞いている時、図形に置き換えてイメージする
・とにかく書いて覚える派。勉強でも、いろんなペンを使ってノートをきれいに書き直すのが大好きだった
・見た目にきれいなものが好き。絵、写真、色彩など。整っている状態が好き
・本よりもマンガに没入しやすいかも(ちなみに、本でもマンガでも特定のシーンやフレーズがページのどのあたりにあったということを覚えてる)
・きれいなものが好きだけど、パワポの資料作りは苦手(できないというより、こだわりすぎてしまう?)
・綺麗好きではないけど整頓好きではある(整頓されていない状態が苦手)
・電話が苦手。相手の顔色を見ながら話したい

B:聴覚優位
・相手によく「話聞いてる?」と言われれるが、聞いていないようで聞いてる
・昔から字を読むのが苦手で、読むとしても声に出して間接的に耳からインプットするようにしていた
・文章のチェックも、声に出して読み、字面というよりは音として違和感がないかでチェックしている
・オンラインミーティングのとき、資料を映してもらっていてもそちらを見たり読んだりするのではなく、話を聴いていることの方が多い気がする
・人から「耳いいよね」と言われることが多い
・“ながら聴き”が難しい(聞き逃しがイヤだから両立できない)
・大きい音や声が苦手。人の立てる音も苦手(特に思春期はヒステリックなほどだった)
・歌詞の意味がわかる曲を聴きながら仕事できない(特に読み書きする仕事はほぼ不可能)
・声のトーンなどで相手の気分や調子を察する
・聞こえてくる音や声を優先してしまって、作業に集中できない
・会話に入っていなくても、周りの人の雑談内容をしっかりと覚えていたりする

C:触覚(体感覚)優位
・大学受験のとき、英文をただただ繰り返しノートに書写していたのが一番身についた
 └(それを目で覚えているなら視覚優位かも?)
・抜けた髪などが肌についていたり洋服のタグがちくちくしたりするのが耐えられない
 └(ただの敏感肌?笑)
・肌ざわりのいいものが好き
・家電などのツールを買ったとき、説明書を読まないでまず使ってみることが多い
・小さい頃はずっと絵を描いていた。今も料理が好きだし、編み物に熱中してたときもあった。手作業が好き
・サマリーや目次が好き。アナロジーが好き

D:言語感覚優位
・人の顔が覚えられない。その人と話した内容や一緒に食べたごはん、その季節などで覚えている
 └(名前や会話の内容という情報が優位に入ってくるから、顔という視覚情報が入ってきづらい?)
・考え込むことが多い(そのせいか、ずっと人と一緒にいるのは苦手。考える余白がないのが苦手)
・話すことや書くことにこだわる(相手に伝えるための準備を重視する)
・話すことで整理されるし、定着する
・昔から活字が好きで、言語によって考え、言語によってものを理解している気がする
・一方で文章全体を記憶するようなことはできず、要旨や印象に残る文章を掴もうと向き合っている
・高度な内容を相手に誤解なく説明することはチームで仕事をする上ではとても重要で、会議での伝え方や事実やデータを解釈していくこと(そこに価値があるのだということ)は、社会人になってから強く叩き込まれた
・音だけ、絵だけで何かを記憶したり理解したりというのはできないかも(言葉によって理解するものの、その理解をより強化促進するものとして音や絵があるという認識)
・文章は構造とリズムの両方を気にする
・主張の論理を気にする。論理がクリアでMECEな話や資料が好き。逆にそこにこだわりすぎると自分の発言や資料が網羅的で長くなりすぎたりする

E:その他
(A-Dの複数に当てはまるような、それ以外の感覚のクセ?のようなもの)

・数字は比較的すぐに覚えるのと、暗算が得意。目の前の数字を勝手に計算するクセがある
・匂いを記憶に結びつけ感覚も強いという自覚がある
・暗記系は、書き取りと音読のセット。歴史とかの記憶系は、どちらかと言うとストーリーで記憶していた
・地図を見ずに目的地へたどり着くのが得意。太陽の位置と大体の地理(特に路線図/高速道路の位置)を頭に入れておくとどうにかなる
・“ながら聞き”は、散歩、運転、エアロバイクであればいける(集中が続くのは30分くらい?)。頭を使う作業中は難しい

それぞれがいろいろな感覚でモノゴトを捉えているのが、よくわかりますね。

5.おわりに

このように、今回は「優位感覚」というテーマで相互認識の機会を設けてみました。

メンバー一人一人に本当にいろいろな感じ方やインプットのしかたがあり、それが近い者同士もいればまったく違う者同士もいたり、また、それらの“クセ”がいろいろなかたちで発現していたりすることがわかりました。

大前提として、これらの違いは、どれが良い/悪いという優劣のつけられるものではありません。あくまで、感じ方やインプットのしかたの“クセ”、どの感覚をより優位に使って情報を刻み込んでいるかの“クセ”です。

とはいえ、その“クセ”が、日常の私たちの行動や活動の中にたしかに存在・機能して、何らかの影響を及ぼしていることも事実だと思います。そういった因子があるとわかったことは、とても大きなことです。

また、今回わかったもう一つのこととしては、私たちがその“クセ”を、お互いに、そして自分自身についても、それとしてほとんど“意識・認識していなかったこと”も挙げられると、私は思っています。

『私たちには「優位感覚」という違い(クセ)がある』

そのことが「わかった」ということは、つまりどういうことか。
「わかった」ことで、これからどういうアクションに繋がるといいのか。

私としての考えは、二つです。

一つは、まずは自分自身がその“クセ”を認識すること。
もう一つは、相手にその“クセ”を伝え、相互認識すること。

(「わかった」ということは、それらができるようになったということ)

これはもう「優位感覚」に限ったことではありませんが、つまり、その「認識」の材料を手に入れたから、自己認識も深まるし、それを伝えられるようになれば相互認識もできるようになって、人ともっとわかり合えるようになるよね!ということです。

私たちのコミュニケーションは基本的に、「犬」や「魚」、「走る」や「食べる」という共通言語があるから成立しています。個人的には、この共通言語というものが、”人の心の中の動き”については、まだまだ本当に少ないと思っています。だから、「あの人とは合わない」とか「あの人はよくわからない」とか「わかり合えない」ということが生まれるんじゃないかと・・

でもそこに、例えば「優位感覚」という言葉の中にも「視覚優位」や「聴覚優位」があるというように、“違いがある前提の共通言語”があれば、何がマジョリティで何がマイノリティだなんて思うことは限りなく少なくなるのではないでしょうか。

例えば、私たちは、みんなでおうちパーティーをしよう!となったら、ビールを飲む人がいるからビールを買おう!お酒は飲めない人がいるから烏龍茶も買おう!甘いものが好きな人がいるからチョコレートも買おう!虫歯の人がいるから噛み切りやすいもの(おとうふ?)を買おう!となります。仮にその場にスルメと柿の種しかなかったら、甘いものが好きな人や歯が痛い人やは楽しめないかもしれません。だから、みんなに好きなものや苦手なものやコンディションを確認する。そういうことが、自然とできているはず。これは、食べ物や飲み物やコンディションというものが表現しやすく認識しやすいものだからだと思います。

一方で、「普通こうするでしょ・・」「何でこんな当たり前のことがわからないの・・」「みんなできるのにできないなんておかしい・・」「あの人は私と違っているから聞く耳を持たなくていい・・」なんてことを思ってしまい、人を思いやるどころか虐げようとしてしまうことも、少なからずあるはず。これは、それらが表現しづらく認識しづらいものだからだと思います。(だからこそ自分自身やその周囲に基準が偏りがちにもなる)

つまり、そういったことが表現しやすく認識しやすいものになれば、「普通」や「当たり前」なんて幻想も、「おかしい」なんてフィルターも、外れてくるのではないでしょうか。

「当たり前」が固定化し、相手を変えるという発想に固執するばかりでは、思考も行動も前に進みません。

だから、こうして、お互いの違いについて伝え合うことや認識し合うということ、そして、お互いの中に“違いがある前提の共通言語”を増やしていくことは、より強いチーム・組織づくりのためのコミュニケーションにもなるのではないかと思います。

違い=わかり合えないものとネガティブに考えるのではなくて、共通言語を増やして、自分の個性を認め、相手の個性も認め、その違いを認め、その上で自分たちに合ったやり方を検討していく、というポジティブな行動に変えられたらとても素敵だなと思います。

一方で、違いの認識が、「苦手だから嫌だ」「これはやめてくれ」「得意でないからやりたくない」「つべこべ言わずやりたいようにやらせてくれ」というように、仲間との間に壁を立ててしまうような、お互いに譲り合いがなく主張を押しつけ合ってしまうような、“断絶”のコミュニケーションになってしまうのはよくありません。「こういう方法だとうれしい」「ここまでしてもらえると助かる」「ここは分担できたらお互いにやりやすいのでは?」「こういうことは本当は苦手だけれど、チームのために改善するよう努力しよう」「チームのハイスタンダードのためにこれは身に着けよう」というように、助け合いや相互補完、思いやりや配慮、実現したいことの実現に向かうためのコミュニケーションに繋がるともっと素敵だなと感じます。
(「優位感覚」もあくまでクセであって、強めたり弱めたり、新しいクセを作ることができる特性です)

私たちもこの学びをしっかりとポジティブに活用していけたらと思います。

ーーー

コロナ禍の今、働き方や生活様式の変化や多様化が進み、コミュニケーションやチームビルディングをはじめ、「人とどう分かち合うか」といったテーマについては、その重要性や難しさが改めて認識させられているタイミングなのではないかと思います。

それは私たちも実際に感じていることですし、これからの社会における重要なキーワードである「多様性」とも大きく関係してくると思っています。そんな中で、私たちの実践が一つのサンプルとなり、よりよい人と人との関係づくりやチームづくり≒共創に向かう起点となっていけたら何よりです。

これからもこうしたテーマにいろいろな角度から向き合っていきたいと考えていますし、ぜひたくさんの方と情報交換していきたいと思っていますので、ご興味があればぜひお声がけくださるとうれしいです!

著者

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