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【ACALL x 東急不動産】共に新たな働き方をプロデュース | Collaboration by Genesia. Episode 2

COLLABORATION

時は2019年12月。まだ新型コロナウイルスが新たな生活様式への移行を加速させる前のころです。「働きやすさ、を実装する」WorkstyleOSを展開するACALLと広域渋谷圏を中心とした街づくりを手がける東急不動産は、道玄坂にあるスタートアップ向けワークスペース「GUILD Dogenzaka」で実証実験を開始します。どのように実証実験に至ったのか、そこから得られたもの、そしてスタートアップと大企業がコラボレーションする際に重要なポイントなどについて実証実験を担当された皆さんにお話いただきました。

インタビューは、2021年5月にオープンした水道橋にあるACALLの東京オフィスにて行いました。

ACALLと東急不動産の共創の道のり

  • 2019年7月・・・神保町北東急ビルにACALL導入
  • 2019年11月 ・・・東急不動産ホールディングスCVCがACALLに出資
  • 2019年12月・・・GUILD Dogenzakaにて実証実験を開始

ACALLと東急不動産の出会い―「東急不動産だけでは全てを提供できない」

吉田:

吉元さん、那須さん、佐藤さん、村西さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。新型コロナウイルスの影響で新たな生活様式へのシフトが余儀なくされている中、ACALLも東急不動産もまさに新たな働き方をどのように提案していくのか、という大きな課題に取り組まれています。今日はぜひ出会いから実証実験の成果など色々とお話をお聞かせいただければと思います。
最初に東急不動産で考えられていたスタートアップとの連携について教えていただけますか。

村西:

少し前に遡りますが、そもそもなぜ東急不動産がスタートアップの方をはじめ多様な方と連携を始めようと思ったか、その経緯についてお話させてください。私たち不動産会社にとって、街づくりは重要な領域です。スタートアップの活力や成長性は経済的にもすごく大きな波及効果をもたらしますよね。海外で言うとシリコンバレーはもちろんですが、ロンドン、ニューヨーク、パリといった国際的な成熟都市はスタートアップを非常に多く取り込んでいるので、東京渋谷もそれに準ずるような国際協力構想を掲げる街にしていかなければいけません。ハード面では再開発で大きな建物を建て、ソフト面では街づくりの一環でスタートアップとの連携、共創によってもたらされる活力やイノベーション力が必要なのではないかと漠然と考えていました。
でも何から始めればいいのか、当時は手探りで何もわからない状態だったので、最初の取り組みとして2017年にPlug and Play※を日本に誘致し、「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」を開業しました。そして二つ目の取り組みとして「GUILD(ギルド)」というスタートアップ向けオフィスを2018年から複数個所で開設しました。まさにそこでジェネシア・ベンチャーズとの出会いがありました。

ジェネシアとの打ち合わせの中で、東急不動産が今後どのような展開をしていくべきなのかについて熱くディスカッションさせていただきました。その対話の中で、東急不動産のオフィス事業戦略とACALLの世界観がフィットするのではないかという話が出た次第です。

※Plug and Play:シリコンバレー発のスタートアップ向けアクセラレーションプログラムの運営企業

東急不動産株式会社 都市事業ユニット 事業戦略部
村西 俊郎
佐藤:

振り返ると2010年頃から新たにビルを建築する際にはWorker Firstという視点で作っていました。従業員の方の満足度を高めましょう、と。例えば目黒にできた新築ビルの一つが形が少しいびつで段々になっていたのですが、その特徴を活用して外に出る動線を用意し、緑を取り入れたり、外でもWi-Fiが使える設備を整えたりなど。当時からするとその取り組みは斬新でした。
お客さん、というのは商業施設の利用者だけでなく、オフィスビルに入居する企業の従業員の方もそうです。オフィスビルを利用される従業員の方一人ひとりにいかに快適に使っていただけるか、というテーマはずっと活動の根底にあったのではないかと思います。ただ、その体験は東急不動産だけでは全てを提供できない。そこでスタートアップを含めた外部の人との取り組みの必要性を感じました。

吉田:

例えばどういった点において外部との連携が必要だったのでしょうか。

佐藤:

まず第一に思ってるのは餅は餅屋だ、ということ。私たちはあくまで不動産屋なので、不動産業の知見や実績はありますが、その領域外は専門性がなく、自分たちだけでやろうとすると余計な時間がかかり、本当にニーズを満たすものを作るのは難しいです。なので特定の課題を解決するための技術やサービスを持っている人たちと共に取り組んだ方が圧倒的に早く、良質なものを作れると信じています。

村西:

私もスピード感が鍵だと考えています。東急不動産は従業員数が1,000名を超える大きな企業なので、新しいことを始めようとしてもまず最初の一歩は各関係先との調整になりがちです。そこでまずはやってみよう、とりあえず踏み出してみようという推進力のある方と連携しないとどうしても私たちのスピードが落ちてしまう。スタートアップとの連携においては、スタートアップ側の取り組みと私たちの戦略を重ね合わせ、一緒にどのようなことができるのかを軸にうまく社内調整をしていく、ということが一番のポイントになると思います。

吉田:

東急不動産とジェネシアとの月次定例会議で支援先のご紹介をさせていただいていますが、その中でも特にACALLに注目された背景を教えてください。

村西:

東急不動産のビジネスは私たちが保有している不動産の決められた場所を貸す、というモデルですが、どうしても市場は縮小傾向にあります。その中で新しい不動産の活用の仕方を考えたら今後は商業ビルとオフィスビルの垣根がなくなっていき、使われ方も変わるのでは、という予想図が見えてきました。変化する働き方に応じる形でオフィスビルを貸し出す新たな戦略を構想していた時にACALLについて知り、連携の可能性を感じました。

水谷:

ジェネシアからは2018年4月にACALLに投資していて、そのちょうど1年後に2回目の資金調達の話がありました。ACALLの事業も成長していて、資金繰りが急務ではなかったけれど成長に向けてアクセルをもっと踏んでいこう、といったタイミングでした。ジェネシアからの追加投資後もちょうど1社分のアロケーションがあったので事業シナジーが見込まれる会社からの出資受け入れをACALLチームと検討していたのですが、その中で東急不動産との連携余地が大いにあると感じ、東急不動産にACALLへの出資を提案させていただきました。最終的に2019年夏に投資されましたね。

佐藤:

当時は新型コロナウイルス流行の前で、リモートワークという言葉すらほとんど耳にすることがありませんでした。どちらかというと「働き方改革」に軸足が置かれていた時期です。まだ会社に行くことが大前提で、たまに在宅ワークをするとしたらどのような仕組みになるかを考えていたころ。振り返ってみるとACALLの世界観がコロナ前に描かれていたというのは高い先見性を感じます。2019年夏時点で既にプロダクトもできていた。ACALLのプロダクトが生まれた背景に自分たちのオフィス空間を快適にするための自社用受付システムを作ってみたらとても便利だった、という経緯がありますが、そのように既に仮説検証済みだった、というのは大きな利点でした。

水谷:

ACALLの「Life in Work and Work in Life for Happiness」というビジョンはコロナ前から既にありました。ACALLがずっと実現に向けて取り組んでいた世界観にようやく時代が追い付いてきた感じがします。未来の働き方から逆算するとACALLが担う役割は社会にとって不可欠で、関わるなら今のうちだ、とジェネシアのGP田島が東急不動産との定例ミーティングで力説していましたね。

実証実験へ―コロナ禍を乗り越えて実現した目標達成

吉田:

出資受け入れに伴いACALL側で考えていた東急不動産との共創の仕方や期待値について教えていただけますか。

吉元:

先ほど水谷さんが言っていたように、ACALLのビジョンは「Life in Work and Work in Life for Happiness」、つまり「暮らしと働くの幸福度の最大化」ですが、東急不動産に出資していただくタイミングではACALL 1.0 から 2.0 というフェーズに入っていました。1.0 では受付業務の効率化などを行っていましたが、2.0 では働く場所の多様化、つまりセンターオフィスだけではなくシェアオフィスや自宅など、オフィス外にも広がっていく世界観のフェーズです。外部の遊休スペースを活用する事例が今後増えていき、一人が一社のみに勤める世界はなくなっていく、といった話はちょうどCEOの長沼ともしていました。
そのタイミングでちょうど東急不動産からGUILD Dogenzakaの実証実験の話をいただき、私たちも共に取り組みたいと考え実証実験を開始しました。

ACALL株式会社 COO
吉元 裕樹
吉田:

東急不動産の投資検討プロセスの概要や、当時社内で出た論点など教えてください。

佐藤:

スタートアップへの投資検討を行う際は既に何らかの形で一緒に取り組みを行っていることが多いです。投資委員会(私たちは「事業支援ミーティング」と呼んでいます)に上げるときは担当の事業部が説明を行います。ACALLの場合は都市事業ユニットが担当でした。
投資委員会は形式的なものではなく、積極的にディスカッションが行われ、時には議事録が何枚にも及ぶ場なのですが、ACALLについてはスムーズに決議されました。その理由としてはACALLとの共創について既に田島さんとも何度も壁打ちをして説明が完成されていたこと、そして神保町での取り組みやGUILDの実証実験といった具体的な連携案が出ていたことが大きいと思います。本当はここで苦労話をしたかったのですが(笑)、村西が用意周到に進めてくれました。

吉田:

投資委員会にかける前にすでに実証実験の準備は進められていたのですね。

村西:

GUILD Dogenzakaの会議室の稼働率を上げたいという課題は元々持っていたのでACALLにも力を借りて何か改善策を考える、という流れは自然でした。
GUILD Dogenzakaは元の物件をリノベーションして貸し会議室にしたのですが、管理人が常駐しているわけではなかったので別の場所にいる管理会社から鍵を借り、貸し出して、終わったら返す、というオペレーションだったんです。非効率ですよね。実証実験では鍵を電子錠にし、ACALLのデバイスで開ける設定にして、GUILD Dogenzakaの入居者はもちろん、WorkstyleOSのユーザーであればだれでも会議室を使えるようにしました。

吉田:

実証実験をされて、実際にどのような成果がありましたか。

吉元:

GUILD DogenzakaでのACALLの活用方法が初めてだったので、端末画面に専用のオプションを追加しました。このインターフェースは技術的な制約もあり現在も他社には提供していないのですが、すごく評価いただいていて、要望が非常に多いです。あとは細かいオペレーションの解像度がぐっと上がりました。例えばGUILDに忘れ物があった時に東急不動産、ACALLどちらが対応するのか、など。
ユーザーアンケートを通じた気づきもたくさんありました。WorkstyleOSに対するフィードバックはもちろんですが、実は思った以上に立地条件が重要だったんです。GUILD Dogenzakaは渋谷駅から徒歩5分なんですが、アンケートでは駅から徒歩3分以内が望ましい、坂の上はアクセスしにくい、という意見をいただきました。
実証実験中に新型コロナウイルスが流行したのは那須と私が乗り越えなければいけない壁でした。実証実験を成功に収めるためには集客が必要なので、どうやったらお客さんに使っていただけるか、かなり悩んだところです。既存のお客さんにメールなどでご連絡を差し上げるのはもちろん、GUILD Dogenzaka近隣の企業にも使っていただけないか、など、あらゆる案を考えました。

那須:

GUILD Dogenzakaでは私たちが主体でユーザーであるお客さんのフォローをするのではなく、お客さん自身で管理ツールなどの設定も全て行っていただいたんです。その中でお客さんが使いやすいプロダクトになるための調整など、ACALLにとっても様々な挑戦がありました。

水谷:

実証実験のやりがいは実際にやってみないとわからない発見があるところですよね。渋谷の道玄坂の中心でやるのはロマンを感じます。なかなかいちスタートアップだけではできないので、本当に東急不動産のお力添えの一つの成果ですね。

株式会社ジェネシアベンチャーズ Investment Manager
水谷 航己
吉田:

ちなみに実証実験で得られたお客さんからのフィードバックは、二社間で共有されたのでしょうか。

村西:

発見できた課題などはその都度お話していました。コロナの影響も踏まえつつ、より多くのお客さんに使っていただくことが一つの大きな成果になると考えていたので、GUILD Dogenzakaの利用についてご案内できそうな方を吉元さんに提案していました。また、近隣のお客さんには私たちからもご案内して、契約手続きをACALLチームにお願いしたり。そのような連携の結果、2回目の緊急事態宣言が明けた頃に稼働率はかなり改善し、もともとゼロだったのが20~30%になりましたね。

那須:

そうですね。元々いただいてた目標が30%でコロナの流行がひどくなる前に30%はすでに達成していたのですが、一度落ちて、そしてまた2020年10月頃に再び20%近くまで戻ったと記憶してます。

ACALL株式会社 マーケティング・広報PR
那須 瑶香
村西:

コロナ前の私たちの見立てとしては貸し会議室の稼働率は20%弱まで伸びればいいと考えていた中で、取り組みの成果もあり、コロナが一度落ち着いた後は結構埋まりやすい状況になっており、目標で掲げていた稼働利率も達成していただけたのは一つの成果です。

アフターコロナの働き方―「Team Based Working」

吉田:

東急不動産がイメージされている、センターオフィスと他の働く場所の融合という世界観と、WorkstyleOS の思想がマッチしているからこそ色々な壁を乗り越えられたのでは、とお話を伺って思いました。東急不動産は今後どのような領域に注力される予定なんですか?

佐藤:

従前から取り組んできたことではあるのですが、健康やウェルネスに注目しています。企業の健全性もそうですし、そこで働く従業員の方々の健康に配慮し、新しいビルに限らず、古いビルでも取り組んでいます。
あとは家で過ごすことが一つのスタンダードになってきたので、今度はどうすれば商業施設やオフィスに行くモチベーションを上げられるのかというのもテーマです。
その他には再エネ事業や環境保護に向けた事業も拡大していますね。東急不動産は不動産業の中では環境に対して非常にセンシティブな企業になってきており、環境に良いことは積極的にやる姿勢をとっています。今までなかなかできていなかったことですが、環境に対する意識の高まりは不可逆な流れであり、企業価値にも直結することなので幅広くアンテナを立てています。

吉田:

日常的な働き方としてはWork From Homeでありつつも、オフラインで集うことの良さを個人的には感じているのですが、東急不動産としてはオフラインの良さについてどういったことを訴求される予定なのでしょうか。

村西:

まだ公式ではないのですが、一つは経営者と従業員の意識の差を埋められる、という点です。経営者の傾向としては、従業員と直接話して密にコミュニケーションを取りたいという気持ちが強いのですが、一方で従業員側はインプットや一人作業はリモートワークで行いたい。オフィスに来てもらいたい経営者と家にいたい従業員の意識の差を埋められるような取り組みを考えています。

吉田:

ACALLLのWorkstyleOSには様々な場所で働く従業員同士のコミュニケーションを円滑にする機能も入っていますが、やはりそこはニーズが高いのでしょうか。

吉元:

そうですね。WorkstyleOSのキャッチフレーズは「働きやすさ、を実装する」ですが、そもそも働きやすさって何なのかを考えたときに、ABW (Activity Based Working)※とは言いますが、Team Based Working、つまりチームとして働くという観点が非常に重要だと思います。だれがどこで仕事をしているのかを可視化することにより、人と人との偶発的なコミュニケーションを喚起するような仕組み作りを大切にしています。

※ Activity Based Working – 「時間」と「場所」を自由に選択できる働き方のこと

例えば私が出社か在宅どちらにしようか悩んでいるときに、実は今日出社すると話したい人3人と対面で話せるとわかれば、出社しよう、と決められます。このような体験の積み重ねが働きやすさや生産性につながりますし、実際にニーズも高く、10月に新機能をリリースしています。

スタートアップ x 大企業の共創のコツー「最後は人」

吉田:

もしよければスタートアップから見た大企業のキーパーソンと連携する難しさやハードルについて教えてください。

吉元:

私はキーパーソンというよりキーチームといかにつながれるかを重視しています。事業開発や実証実験を進めるときに欠かせないのが上の層を納得させられる人と、その人自身が現場を見るわけではないので、現場を動かせる人とのつながりです。この二人としっかりとパートナーになれると実証実験が大きく前進します。
スタートアップはやはりスピード重視です。100点満点ではなく60~70点ぐらいのプロジェクトでまずは出してみて、それをチューニングしていく、という流れが一般的だと思います。大企業との取り組みではそのようなオペレーションを許容していただかなければいけませんが、現場を動かせる方がどの部分なら許容できるかの対話をしてくださったり、私たちに寄り添う体制を構築してもらえると実証実験を始めとしたパートナーシップもより良いものになっていくと考えています。
ちなみに、だれがキーパーソンになるのかの見極めですが、Web会議だと「発言したら皆がうなずく人」を探したりしています(笑)

佐藤:

大企業側の人間も、何でもかんでも100%のものが出てくると思わない方がいいですよね。完成度とスピード感はトレードオフなので、走りながら直していこう、というマインドがない限り、どんどん置いていかれてしまいます。私たちとしては、サービスやプロダクトだけではなく、スタートアップ特有のマインドセットも得られると双方によってプラスになるはずです。

東急不動産ホールディングス グループ企画戦略部
佐藤 文昭
村西:

バランスが難しいですよね。アジャイル経営を取り入れたいけれど、既存顧客の信頼の損失は事業に大きく影響するのでそれは避けなければいけない。そして経営者にアジャイルに進めましょう、と言っても通るわけがないので、サンドボックスを作らなければいけないと思っています。自分たちがある程度好きに実験できる範囲の勝ち取り方、組織内でのその取り組みに対する意見のまとめ方を考える必要があります。

吉元:

せっかくなのでぜひ東急不動産のお二人に聞きたいのですが、大企業として付き合いやすいスタートアップのポイントってあるのでしょうか。

村西:

スタートアップとのお付き合いを考える際に、背景として社内での課題やニーズがあり、それの解決策を見つけるためにスタートアップを探し始めるので事業面の判断はケースバイケースです。一方で、定性的な観点ですが、何か一緒にやってみたい、と単純に思えるチームはサービスも魅力的に感じることが多いです。
今までお付き合いさせていただいたスタートアップを振り返ると、この人と一緒にこんなことをしたい、これができたらいいな、と思わせてくれた、というのは共通点としてあるかもしれません。

佐藤:

色々なスタートアップにお会いしていますが、そこでお話いただく方が、熱意を持ってサービスやプロダクトをアピールしてくださると、具体的な連携アイディアは全然思い浮かばないけど何とか一緒にやってみたい、と思うことがあるんですよね。やっぱり最後は人ですね。大企業対大企業の付き合いと比べて、スタートアップとはよりリアルな関係になると感じていて、その生々しさを大事にしたいですし、私たちとしても選ばれなければいけない、という緊張感もあります。

吉田:

ジェネシアでもありがちなCVCの課題として、スタートアップに対峙するメンバーが異動などでコロコロ変わるため信頼関係を構築しきれない、という点があると考えています。

佐藤:

そうですよね。人が変わってしまうと脈々と続かない。せっかく色々な方に紹介していただいてつくってきたネットワークも分断されますし、自分が手掛けたプロジェクトの成果を見ないままその場から離れてしまうのは非常にもったいないと思います。熱意が薄れてしまう。

吉田:

東急不動産チームの方は一人ひとりの想いが強いですよね。

佐藤:

面白くないと続かないですよ。私は望んでこの部署に来ているので楽しいんでしょうね。意思を持って仕事をしている人がたくさんいるといいなと思います。

村西:

やっぱり自分たちが魅力的にならないとスタートアップにも、スタートアップ以外の方にも選ばれないんだなと感じています。自分の人間的魅力を磨く、というと少しおこがましいですが、堅苦しく考えすぎずに、自分が成し遂げたいこととその逆算で動くという軸が根本にないと、魅力的に映らないだろうなと私も思っています。
実は今の社長が常務時代に企画案を持っていって、社会人人生で一番怒られたこともありました(笑)そんな経験もしながら、自分の軸を大事に仕事をしています。

ACALLの水道橋オフィスにて

※こちらは、2021/11/29時点の情報です
(デザイン:割石 裕太さん、写真:尾上 恭大さん、聞き手/まとめ:ジェネシア・ベンチャーズ Portfolio Manager 吉田 実希)

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