
講義Vol.5:CI策定・強いチームを創るための要点
ジェネシア・ベンチャーズが主催する、プレシード・シード起業家 / スタートアップ向けの創業支援プログラム『Ignition Academy 2024』。
第五回目の講義のテーマは、「CI策定・強いチームを創るための要点」。講師は、ジェネシア・ベンチャーズでスタートアップの採用や制度設計など組織創りのナレッジを発信するコンテンツシリーズ『組織創りの羅針盤』のオーナーを務める、Investment Managerの黒崎 直樹が担当しました。ゲスト講師には、株式会社令和トラベル(スマートに旅行予約ができる『NEWT(ニュート)』を展開)の篠塚 孝哉氏をお招きし、2回の起業経験を通じた実体験と、スタートアップの組織創りに関する実践的なノウハウを包み隠さずお話しいただきました。
主な講義内容
シード期の組織創りの3テーマ
- CI/MVVの定義
- 経営メンバーの採用
- 組織カルチャーの設計
CI/MVVの定義
人の心を惹きつける大きなVisionを描くことが必要。実現難易度にひるんで難しく捉えすぎる必要はない。高すぎる目標だと感じていても、実行に移すと想定より簡単であることも多い。難易度に妥協せず、崇高な目標設定を行うこと
MVV策定後、定着フェーズにおいて仕組み・システム化することがマスト。人事制度に組み込みを行い、MVVの体現度の評価比重を常識以上に高めることで自ずとMVVにフィットする人材だけが会社に定着するようになる
Brilliant Jerk(能力は優秀だが組織カルチャーとマッチしない人材)は、短期的にはその能力から生みだされる成果が魅力的だが、長期目線で見ると会社にとって好ましい結果を生まないケースが大半。確率論的に確実にBrilliant Jerkは生まれるが、その人材を適切な形で会社に残さない仕組み作りが肝要
経営メンバー(CxO)の採用
CxOは経営課題を解決するポジションであり、その能力を持った人材を採用する
基本的に採用は量をこなすことから始まる。CEOがスカウトメール送付、noteやXでの情報発信などを行動の最優先事項として自ら動くべき(篠塚さんの場合、創業初期は業務の50%以上を採用に充てており、現在でも30%近く費やしている)
シード期・創業一年目は良い人材を採用出来るボーナスタイムでもある。チャレンジできる可能性の幅を売りにして、優秀なメンバーの採用に挑戦できるフェーズ
採用フローにおいてSPIなどのテストツールを活用することのメリットは大きい。言語・非言語能力・性格診断等のデータを参照することで、その候補者に適した形でフォローアップの面談や課題設定をすることが出来る
組織カルチャーの設計
カルチャーの設計にはシステム化が重要。マクドナルドなどの大企業ではonboardingフローを徹底してシステム化することで、誰が入社してもアウトプットにボラティリティが生まれないように出来ている。スタートアップでも目指すべき世界は同様
人が増えるタイミングでMVVの解釈にずれは出てくるものなので、人事制度や全社会議等で日常的にMVVに関する発信を行い、一体感を醸成していく。特にValuesは日常の行動規範のレベル感に影響するので、特に重視をして運用をする方が良い
コロナ後の働き方が見直される中で、ベイエリアの会社は出社形式に続々と回帰し始めている。カルチャー浸透の観点でもリモートワークのデメリットを感じている企業が増えており、いずれ日本にも同様の流れが来る可能性がある
参加者からの声
- 10倍大きな目標は10倍ほど難しいとは限らない、というメッセージがとても響きました!
- 組織周りの話については自分自身も専門にしている内容であったのですが、それはエンタープライズ企業(最低500人、通常数千、数万)が対象であり、自身の知見との差分を埋めていこうと臨んだ講義でした。ブリリアントジャークなど地雷な人を引いてしまった時のダメージが大企業の場合とは全く異なり、スタートアップにおいては即組織崩壊に繋がっていくことや、篠塚さんが「魔法」と言っていましたが合理ではない理由が人を強く引き寄せることがあるなど、スタートアップならではの景色だと感じました。
- 先輩起業家からの講義→壁打ちの流れが、知識吸収から発散までできたのでよかったです!!
今回のIgnition Academyメンバーは、一度は企業に属し働いた経験のある人がほとんどで、採用や育成・組織創りというのは、誰でも何かしら思い当たるところがあるテーマだったかと思います。自分たちが目指す目標(スタートアップ流の高く大きな目標)をどう設計するか、どうしても組織にフィットしないメンバーをどう扱うか、そもそも組織カルチャーにフィットしていないということをどう判断するかなど、組織の色を決め組織の動向を左右する意思決定を如何にしてするか― 実際にそうした意思決定を重ねてきた篠塚さんのお話を伺いながら、“正解”のないテーマに自分事として向き合うきっかけになったのではないかと思います。組織の礎をつくる創業期は、スタートアップにとって最も重要な時期とも言えます。それぞれに最強のチームを作っていきましょう!次回の講義もお楽しみに!



