INSIGHTS
講義Vol.7:融資・助成金のポイント
ジェネシア・ベンチャーズが主催する、プレシード・シード起業家 / スタートアップ向けの創業支援プログラム『Ignition Academy 2024』。
第七回目の講義のテーマは、「融資・助成金のポイント」。ジェネシア・ベンチャーズ Senior Portfolio & Partnership Manager の伊藤 実希がモデレータを務め、ゲスト講師には、みずほ銀行 審査第二部の赤岡 央崇氏と株式会社INQの若林 哲平氏にお話いただきました。エクイティ調達に対して、融資や補助金はどのように活用するのが望ましいかなど、体系的にご説明をいただき、各ステージにおける最適な調達手法や調達を成功させるためのコツについて学びました。
主な講義内容:
Part ① 融資のポイント
デット調達活用のポイント
- シードからアーリー、ミドル、そしてレイターステージと成長していく中で、各ステージでどのような調達手法が選択肢としてあるのか。ステージが進むにつれて事業の不確実性は低下する一方、応じて財務戦略、資本政策、資金管理、ガバナンス等の社内の態勢整備の推進が重要になってくる
- Middle期(非上場)以降にファイナンスのサイズが事業成長の勝負を決める局面が必ず来る。どれだけデット調達ができるかの勝負とも言える
- 赤字のスタートアップ企業の返済能力とは、① エクイティファイナンスを成立させる力、② お金を返せる状態を維持できる力、それを説明できる力
- 銀行に突然行っても、初対面では融資してくれない。将来的に融資取引を展望できそうな銀行と早めに関係構築を開始する必要がある
銀行との関係構築のポイント
- スタートアップとの取引に精通している支店、そしてしっかりと事業について理解する意欲がある担当者との関係構築が要となる。口座開設に始まり、保証協会付融資、プロパー融資などの様々なやり取りを通じて関係を深めていく
- 取引は口座開設から始まるが、直接ドアノックするのではなくてベンチャーキャピタルなどからの紹介を通じてつながったほうが担当者との連携もスムーズになる
- まだ赤字でも融資を受けるためには、返済能力についての説明が必要。返済原資となるエクイティ調達の蓋然性や今後返済能力を維持するための社内管理体制など
Part ② 助成金のポイント
起業時に活用できる資金調達制度のポイント
- 創業融資と補助金・助成金の種類や違い。返済の必要性、申請タイミングや成功確率、入金までのタイムラグ、金額、自己資金の必要性の有無が異なる
- 補助金は入金まで時間がかかるので、融資と組み合わせて効果的に活用するのが良い
- 融資は一般的には創業時のスタートアップと相性が悪いため、創業融資制度と組み合わせるのが効果的である。創業融資の審査時においては、返済能力を裏付けるための自己資金や代表者の経験、そして事業計画が見られる
参加者からの声:
- 公庫以外の融資については全然考えたことがなかったので、とても勉強になりました。
- 融資とエクイティの間の資金調達がある事や、創業支援でもっと使えた制度があったのに…と知らない起業ハックがたくさんあり学びになりました!
- 非常に勉強になりました。会社設立に活用していきます。
- 普段まとめて知る機会が少ないデットと補助金について学ぶことができて大変有意義だった。
講義最後のQ&Aセッションにおいても、具体的な質問が数多くメンバーから出て、シード期においても注目度の高いトピックスであることがよくわかりました。今回の講義を念頭に置きながら、エクイティ、融資、補助金それぞれの特徴を理解し、効果的に調達を進められるといいですね。7月から続いてきたIgnition Academyの講義、もう次回が最終回となります!お楽しみに!