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【Sozi】世界はより温かく、より優しくなるから -クリエイターと作品、そしてファンの繋がりが豊かに育まれる土壌を目指して-|Players by Genesia.

STORY

色、かたち、手触り、匂い、ストーリー、音―

そうしたものに、目を奪われ、足を止める。心の琴線に何かが触れて、手を延ばさずにはいられなくなる。そんな経験は、誰にでもあるものではないでしょうか。

人が創り出すもの。それはきっと人が存在する限り、生み出され続けるもの。

そしてそれは、人自身を豊かにするもの。作り手は表現することで、受け手は共感・共鳴・共有することで、癒されたり赦されたり前を向けたり。そのあたたかな相互関係もまた、人が存在する限り続いていくものではないでしょうか。

そうした、人の”クリエイション”を支え、永続的に育み続けることを通して、人々の人生の豊かさというテーマに挑むスタートアップがいます。

Sozi(ソジ)は、ファンレターサービス「OFUSE(オフセ)」とイラストアプリ「pib(ピブ)」を提供するスタートアップです。Webがコミュニケーションの中⼼となった社会で、価値あるかたちで作品を届け、作り⼿と受け⼿を双⽅向に繋ぐ様々な事業を展開することで、クリエイション(創造)の発展を⽀えることを⽬指しています。今回は、Soziの宮村さん・米田さん・高橋さんと、担当キャピタリスト・鈴木の対談をまとめました。

「優しい世界」「温かい世界」

鈴木:

Soziは、コーポレートアイデンティティというか、スローガンとして、「Webという広大な世界で 豊かなクリエイションが花開くための 土壌を育みます」という言葉を掲げていますよね。これはすごく僕らを表現しているなぁと思っているのですが、皆さんがどんな想いで設定したのか、改めて教えてもらえますか?

高橋:

Soziのメンバーは、好みは皆異なりますが、イラストや漫画など様々なコンテンツ好きで構成されています。自分たちが好きなコンテンツがたくさん溢れる世界になったらいいよねという共通の想いがあり、それをシンプルに言葉に落とし込んだイメージですね。

米田:

主にクリエイションの分野において、Soziに何ができるかを考えました。「優しい世界」と「温かい世界」というのは、Sozi内でよく出てくる言葉なのですが、そうした世界のために何ができるかということです。

宮村:

Soziは今、2つのサービスを提供しています。一つ目は、2018年にリリースした、ファンレターサービスの「OFUSE(オフセ)」です。「OFUSE」は、クリエイターへの応援の気持ちを1文字2円のファンレターとして送ることのできるウェブサービスです。また、2019年にリリースした二つ目のサービス「pib(ピブ)」)は、クリエイターの作品との新たな出会い方・楽しみ方を提案する創作イラストアプリです。クリエイターが制作したイラストを投稿すると、ユーザーにはクリエイターの情報が一切付与されていない状態のイラストが毎日届きます。それによって、ユーザーはクリエイターの知名度や一時のバズ・トレンドに左右されず自分の価値観のみで好きな作品を集めることができ、クリエイターも自分の作品を本当に好きだと思ってくれるファンに届けることができます。
こうした、Soziが生み出すプロダクトを通じて、誰かの心を豊かにするクリエイションが生まれ続ける、そして届け続けられる未来を想像した時に、自分たちは何にならなくてはならないのかを考えました。それを「豊かなクリエイションが花開くための土壌を育む存在」と定義しました。

鈴木:

クリエイターへのリスペクトを持って、徹底して寄り添う姿勢がまさにチーム全員にあるのがSoziの強みだね。

宮村:

昨日もプロダクトについて議論していて気付いたのですが、メンバー全員の主語が常に「クリエイター」と「ユーザー」でした。本当に同じ想いを持った人間が集まった集団なんだなと改めて感じて、嬉しかったです。

「Not Searchable」「Not Social」

鈴木:

そんなTEAM Soziメンバーのことをもう少し聴かせてください。小さい頃の話、これまでの人生の話、どんな意志決定をしてきたかなどなど。クリエイションやコンテンツとの関わり方なども踏まえて、ぜひ。

宮村:

私がまだ小さい頃、唯一覚えている記憶は、両親が離婚して母親が自分を置いていなくなった体験です。また、高校生になるまでは、喘息で身体が弱く、頻繁に学校を休む少年でした。そんな経緯から、家で一人の時間が圧倒的に多かったんです。「孤独」って何なのかを知らないまま、孤独という状態に陥っていたんだと思います。そんな自分を見かねた姉が与えてくれたものが、ビデオレンタル屋で借りてきたアニメや幅広いジャンルの漫画や小説でした。10歳近く年が離れていた二人の姉たちも、急に家庭環境が変化した境遇は変わらず本当に大変だったと思いますが、私をとても大切に思ってくれていました。
アニメや漫画、小説・・それらは今まで自分が見てきた世界とは全く違っていて、その独特な世界観や魅力的なキャラクターは自分を夢中にさせました。それらに触れている時間だけは、きっと孤独ではありませんでした。孤独という自覚はなかったけれど、本当に辛かった状態から抜け出させてくれたのは、無数の作品たちが持つ「優しさ」と「温かさ」であり、それらを生み出してくれた作り手の方々だったんです。
私は、世界中に自分と同じ境遇の人やあらゆる問題を抱え苦しんでいる人々がいることを知っています。だから、昔の自分のように辛い境遇にある人々に向けて、孤独や苦しみから抜け出す機会を作りたいと考えました。その結果、そうした機会を数多く生み出すためにはやっぱり作り手の力が必要だと考えました。だから、Soziは、作り手の活動を支えるために存在します。
綺麗事かもしれませんが、自分や自分たちが目指す先に「優しい世界」と「温かい世界」があるのかということ、その世界と人々をちゃんと繋げて、誰一人として置きざりにしないこと、このあたりを意志決定の軸というかポリシーにしています。

株式会社Sozi 代表取締役CEO 宮村 哲宏
米田:

私はこれまで、ワクワク感と、あとはやはり私も「優しい世界」を実現することに繋がるかを重視して意思決定してきました。
大学生時代は、マイクロマシンを研究していました。それ自体がとてもワクワクする技術でしたし、スマートフォンや医療分野等でも活用されている技術だったからです。宮村とはその頃に、宮村のアルバイト先に共通に知人がいたことから親しくなりました。大学院卒業後は、エンジニアとして様々な分野に触れられそうだというワクワク感と、世の中への貢献への想い(企業価値)に共感し、日立製作所へ入社しました。
その後は、宮村、高橋と起業に関する議論を継続していましたが、Soziは「優しい世界」を実現することにつながりそうだと思ったため、日立製作所を退社しました。

Sozi株式会社 取締役CTO 米田 佳祐
高橋:

私の原体験の一つには、幼い頃にテレビで見た戦争映像があります。人と人が殺し合う戦争というものをきっかけに、私は人の感情に強い興味を持つようになりました。また、争いごとのない「平和」な世界、そして「感動」に溢れる世界をつくりたい、という私の軸も形成していると思っています。
大学では、中東諸国の民主化運動である「アラブの春」をテーマに、政治体制と国民の不満感情に関する研究を行いました。大学卒業後は、インターネットの持つ人と人を繋げる力が、平和や感動を生み出すインフラとして大きな役割を果たすと感じ、ソフトバンクへ入社しました。代表の宮村とは、そこで同期として出会いました。その後、一度の起業を経て、やはり「感動」というキーワードをフックに、それを生み出すエンタテインメント事業に携わりたいとの思いから、アニプレックスへ。
宮村とはその間も随時コミュニケーションを取っていました。そして、彼が起業すると聴いたときに、個がより主体となる今、「個々のクリエイティブを支える」というSoziの描く未来像に共感するとともに、自らの力で「個々のクリエイションが花開く世界」の実現を加速させてゆきたいとの想いから、Soziに参画しました。

Sozi株式会社 取締役COO 高橋 玲央奈
鈴木:

それぞれが、原体験とSoziの事業に、強い結びつきがあるように感じますね。
僕も漫画などは昔から大好きで、インターネット上に様々なジャンルのクリエイターの方が思い思いに情報を発信している今の時代をとても好ましく思っています。ただ一方で、現在のネット上は情報過多な状態。クリエイターの生み出した創造物を、届けたい人にしっかりと届けられる仕組み、そしてそれを必要としている人がしっかりと受け取れるしくみを作れないか?ということはずっと考えていました。
そんな中、2018年12月9日(よく覚えています)に、とあるスタートアップイベントで宮村さんから「pib」の構想を聴いて、特定のキーワードからの検索から作品に出会うのではなく、自分の「好み」を学ばせる機械学習を用いて、嗜好にあった作品との偶発的な出会いを創出する【Not Searchable】、バズや繋がりから受け取る「誰かの好き」ではなく、「自分だけの好き」で溢れる【Not Social】を軸に、まさに他人やトレンドに流されない出会いを創出しようという世界観に感銘を受けました。まだ出会ったことのない誰かの元へ、その人が本当に好きな作品を届けるサービス。うん、とてもいいなと。
また、常に主語に「クリエイター」と「ユーザー」を置き、僕らのサービスのステークホルダーに徹底して寄り添う姿勢を強く感じて、一瞬でTEAM Soziのファンになったこともよく覚えてます。

General Partner 鈴木 隆宏

「表現する場」「共感で集まる場」

鈴木:

先日、ジェネシア・ベンチャーズも含めた投資家からの資金調達を発表したけれど、Soziの世界観に共感して、それを一緒に実現しようという頼もしい仲間が集まったと感じています。大局で見ても、大きな時代の移り変わりの中で、Soziを後押しする風が吹いているように思うんだけれど、そういう意味ではどうですか?

米田:

そうですね。YouTubeやTikTok、pixiv、小説家になろうといったサービスを始めとして、普通の人たちや無名の人たちがコンテンツを創作・発信するのが当たり前な時代になってきました。小学生のなりたい職業でYouTuberが上位に挙がるのも、自然なことかと思います。そんなコンテンツが溢れた世界で、クリエイターもファンも、本当の意味で気持ちよく楽しむこと。それを実現するのがSoziだと思っています。

鈴木:

たしかに、インターネットやデバイスの発達によって、誰もが自由に表現・発信できる環境が整ってきていますよね。一方でやっぱり、様々なジャンルのコンテンツが加速度的に増えている。そうしたコンテンツを適切に相手に届けられる仕組みがあるかと言うと、そうではないと感じる部分もあり、Soziはまさにそこを担えるのでは?と考えます。

高橋:

私は、無料で楽しめるコンテンツに対して対価を支払う文化が浸透しつつあるように感じます。通常、モノを買う場合は定価があります。一方で、無限に複製可能なデジタルコンテンツ(データ)は無料であることが多いですが、受け手それぞれが自身が得た価値分の対価を支払う場面が増えてきているように思います。例えば、ウェブ上にアップロードされた一つの漫画が、ある人にとっては何でもないものだとしても、別のある人の人生には大きな影響を与えた、というように、同じものに対して受け手が感じる価値は全く異なるはずです。それが対価としてしっかりと姿形を現わしているような感覚です。
こうした価値の相対化とも言える現象は、作り手と受け手がより直接的に繋がるようになる中で、逆に有限の(通常は定価がある)モノに対しても浸透してゆくのではないかと考えています。それは、人の想いによって駆動する、今よりもちょっとだけ優しくて温かい経済圏を生み出してゆくのではないかと想像しています。Soziが、そうした人の想いを大切にした新しい仕組みによって、社会の一端を形成できたらと思います。

鈴木:

ファンレターサービスの「OFUSE」はまさに、コンテンツの受け取り手それぞれが感じた価値をクリエイターに還元することができる世界観ですよね。誰もが発信者、クリエイターになれる世界において、なくてはならないサービスになる可能性があると感じています。コロナ禍でリアルの場が減っている中で、ますます重要視されている、温かさ、温もり。そういうものが交換できる場であろう、ということですよね。

宮村:

米田と高橋がSoziとしての目指す場所を話してくれたので、自分はこれからのインターネットとSoziの価値を絡めて話してみますね。
1990年代後半から2000年代前半かけての情報革命によって、コンテンツはインターネット上を駆け巡り始め、その時に生まれたのが、共通の属性や趣味を持った人々の集まる場所― FacebookやYouTube、Pixiv、niconico動画などです。誰もが共感や共有と居場所を求めて、そこで待ち合わせするかのように集まり、それらはプラットフォームと呼ばれるようになったと思います。これからの時代に、そうした既存のプラットフォームたちと同規模のプロダクトを作ることはすごく難しい。なぜなら、既に”共通の場”は存在するため、あえて新たな場に人々が集まる動機はないからです。
しかし、昨今だとTikTokが、まさにそれらと同規模以上のプラットフォームとして成長しつつあります。その理由は、ただ面白いショートムービーがあることで人々が集まっているのではなく、まだ出会ったことないコンテンツと出会える、そして無名の人たちが人気者になれる、というところ。その価値の下に人々は集まっていて、これからはコンテンツ量と同じくらい、”そこで受け取る価値 = ユーザー体験”が何なのかが求められるようになると思います。
Soziはそんな時代の中で、作り手が生み出したコンテンツを価値あるかたちで届け、作り手を支え、作り手と受け手の継続的な関係を優しさと温かさに満たしてゆき、あらゆる側面で”生活の糧”そのものになるように邁進していきたいと思っています。

「100年後」「人々の人生」

鈴木:

人の生み出すものや創り出すもの、そして温もりの交換といった行為は、永続的なものですよね。TEAM Soziが目指す未来はどんなところにありますか?

宮村:

100年後や200年後にもし人類が生きている未来があるのであれば、それは、どの国に住んでいるかとかどんな人種だとかなどが関係なしに、全人類が持続可能な食糧とエネルギーを手にしたことを意味するんではないでしょうか。
その時、人が最も価値を感じるものは何なのか。衣食住のほとんどが、世に生を得た瞬間から保証されていて、着るものも食べるものも過ごす空間すら何不自由なく与えられ、何もしなくても生きていける。そのような世界で自分という存在と他者という存在を違うものと認識する方法は、自分を知ることから始まると思います。自分を知るということは、つまり自分が何を好み、何に心を踊らされるかという、自分の「感情」を知ることと同義。そして、「感情」を育むのは創造性でしかなく、それは今とそう変わらないと私は感じています。
どんな未来が訪れようと、Soziは、作り手・作品・受け手の繋がりを途絶えさせず、創造と感情が循環する仕組みを提供し、人々の人生に彩りを残していける存在であり続けたいです。―この意志を継承していける企業を目指しています。

米田:

私は100年後の世界を、人が生活のための労働から開放されており、学問や芸術に費やす時間がほとんどを占めるのではないかと想像しています。労働から得られるやりがいが失われたとき、きっと学問や芸術でそれを得ようとするんじゃないかと思うんです。
そんなとき、Soziはやはり芸術の分野で役割を果たしていけたら良いと思います。自分で創作を楽しむこと、他人の作品を楽しむこと、それを様々な方向から支えることで、新たな時代の人生に彩りを与える存在になりたいです。

高橋:

誰もが思いついたアイデアを簡単にかたちにでき、それを求めている人にしっかり届けられる世界がいずれやってくると考えています。
先ほどのお話にも出たとおり、インターネットやデバイスの発達により、誰もが自由に表現・発信できる環境がすでに生まれつつありますが、この発達スピードが飛躍的に加速し、日常の中で思いついた商品アイデア、ビジネスアイデアなど、ありとあらゆるアイデアを自らの作品として、これからますます簡単に世に出せるようになると思います。それは、新しいものや面白いものが日々次々と生まれてくる、とても刺激的な、エンタテインメント性のある生活ですよね。
Soziは、誰もが各々のクリエイティブを発揮できるこの世界で、人と人が作品で繋がり、互いに支え合えるような仕組みを提供する存在になれたらと思います。

鈴木:

うん、やはり創造性やクリエイティブというのは、どの時代にも存在し続けるもので、むしろこの先、より重要になってくると感じますね。
ちなみに、皆さん、必ず最終的に、Sozi=私(一人称)みたいな話し方をするのがすごく印象的だね。

「多様性」「正しい心」

鈴木:

すでにいろいろなところに染み出てる気もするけど、ズバリ、Soziにとっての「強いチーム」とは何ですか?

宮村:

それぞれが持つ多様性に対する尊重と多様性を束ねるミッションの求心力だと思います。

米田:

異なるコンテキストを持ちながら、共通の想いを持つチームです。
今のSoziもすでに、編集者、マーケター、営業、エンジニアなど、それぞれ生き方も職業も全く異なるからこそ、会議のたびに議論が膨らんでいます。でも、想いは共通しているから、お互いの意見もきちんと取り入れられる。シンプルに、この人数でこんなにダイバーシティの高い環境は強みです。

高橋:

多様性の受容と他者への共感がSoziの根底にあると思います。
各メンバーがこれまでの経験や強みを生かすことで、少人数ながら主体性を持ったパワフルな企画・デザイン・開発を実現できていると感じています。

鈴木:

ビジョンに共感し、クリエイターやユーザーに徹底的に寄り添う姿勢を持ったメンバーが、それぞれの持つ経験や強みを掛け合わせて活躍できる状態は強みだと思うので、今後も大切にしていってほしいカルチャーだと感じてます。
では、「強い戦略」とは?

宮村:

目の前の重大な課題から目を背けない、向き合い続け、やりきることです。
Soziのメンバーはそれができる誠実さと忍耐力を持っていると思っていますし、これからも常に多角的に事象を捉え、冷静に判断して実行していきます。

米田:

課題や、都合の悪い事実から目を逸らさない、誠の心です。
真面目に、誠実に、課題を一つ一つ解決してこそ、より良い方向を目指して頑張れる。

高橋:

熱量高く幅広く物事を考えつつ、冷静な判断を行なうこと。
アイデアはとにかく膨らませつつ、それらを実行する際は、Soziの目指す方向性や時流に合っているか、どの程度の実現可能性があるのか、といった冷静さを持つことですね。

鈴木:

全員が、とてもシンプルだけどシャープで強い言葉で語ってくれて本当に頼もしいです。戦略と訊いたときに、心の話が出てくるというのも本当にすごい。感動します。常に学習し、進化・成長し続けているチームなので、これからも変化を恐れずに大胆に取り組んで行ってほしいとです。
奇を衒うのではなく、本当にこれまでどおり、クリエイターとユーザーに徹底的に寄り添い、高い理想を掲げ、そして現実とのギャップを愚直にスピーディーに埋め続けること。それによって、僕らが実現したい世界に絶対に到達できると感じています。
今日はありがとうございました!また語らいましょう!

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