
【ザ・ファージ】健康を選ぶ自由をすべてのひとへ —“目に見えないものを憧れに変える”チームで、予防医療の領域に挑む|Players by Genesia.
19世紀後半から20世紀初頭は、レントゲンや放射性物質、電波など「目に見えないもの」の実在が相次いで証明された時代です。オーラやテレパシーなどスピリチュアルな世界の視覚化が盛んに試みられたのもこの流れだそうです。
「目に見えないものを知る」という過程は、私たちにとって希望でしょうか。それとも、恐怖でしょうか。
さまざまなことが可視化できるようになってきた今、そのいずれもが世界を変えてきたし、同時に守ってきたとも私は思います。
「目に見えないもの」はまだまだあり、私たちとの関わりはこれからも続きます。その先にはどんな世界、どんな進歩・進化があるのかと考えずにはいられません。
ザ・ファージは、血糖値をはじめとした生体・行動データ解析を基盤とした、生活習慣病リスクの早期把握と個別化予防に挑むスタートアップです。
少し意外なのは、代表の徳永さんのバックグラウンドが「情報」や「クリエイティブ」にあること。また、共同創業者は“クリエイティブ領域の人”だと決めていたということ。
普段は目に見えない、私たちの体の中。そして、仮に内臓が目に見えたとしても、それが良い状態なのか悪い状態なのかは、私たちには一見してわかりません。
そこを希望— ひいては“憧れ”にまで変えるのが、「データ」。そして、「クリエイティブ」「デザイン」だと徳永さんは言います。
私たち一人一人に合った健康(良好かつ憧れの状態)を知った上で、好きなものを選び取ることができる。遠くない未来にそんな生活を実現しようとするチャレンジについて、担当の水谷が聴きました。
- デザイン:割石 裕太さん、写真:尾上 恭大さん
- 聞き手・まとめ:ジェネシア・ベンチャーズ PR Specialist 吉田 愛
- 以下、敬称略
病気になる前に何ができるか?その結論として辿りついた「食」の領域
今日のお昼ごはん、何食べました?
僕はサラダ食べました。
僕はマクドナルドのハンバーガーを食べました。午後一番に少し憂鬱な会議があったので、エネルギーを取ろうとてりやきバーガー食べたんですけど、血糖値的にはどうですかね?
血糖値スパイク的に言ったら、ある種理にかなってますね。これから勝負するぞってときに人間は体の中の糖質を放出するので、糖質を取ろうって考えるのも自然な反応です。血糖値を上げるホルモンの内、レプチンっていうおなかが減るホルモンも一緒に出すんです。
徳永さんのお昼はサラダだけってことですが、大丈夫ですか?元気足りてますか?
全然大丈夫です。朝がっつり食べてますし、最近夜は会食が多いので、昼でバランス取ってるんです。血糖値スパイクが起こってるのか、お昼ごはん食べた後って眠くなっちゃいますしね。
改めて、血糖値スパイクって何なんでしたっけ?
まず血糖値っていうのが血液中の糖の濃度のことなんですけど、それが食後に急峻に変化することを血糖値スパイクって言います。
徳永さんは普段から血糖値スパイクを意識した生活をしてるんですか?・・出会ったころからだいぶ変わりましたよね。
ザ・ファージを創業してから、どんどん変わってきましたね。元々は結構不規則な生活スタイルだったんですが、最近は豆と肉中心の食生活で、朝ごはんをしっかり食べて、腸内細菌を整えて・・みたいな。やっぱりパフォーマンスもだいぶ上がっている実感があります。
食のことに詳しそうですよね、徳永さん。
詳しくなりました。仕事柄、特保や機能性表示食品の研究開発支援とかもやってるので。
ザ・ファージの事業は、血糖値を可視化して健康管理に活かそうというものですが、そもそもなぜ、そういった健康管理だとか食だとか、いわゆるヘルスケアの領域に取り組むことにしたんですか?
食品のバイヤーをやっていた父親の影響で昔から関心が高かったかなと思います。一方で、父は双極性性障害— いわゆるうつ病で、働いたり働かなかったりを繰り返してたんです。治療のために薬を飲んだりするんですけど、うまくいかないこともあって、日常生活の中でもっと何かできることはないのかな?病気になる前に何かできないのかな?ってずっと考えていました。それが実現できるのが、「食」の領域だなと。

クリエーターとベンチャー企業に憧れた学生時代を経て、マーケターの道へ
食や、健康・予防の領域に興味を持ち出したり詳しくなったりしたのはいつ頃からですか?
小学生くらいですね。
早いですね!その頃からアンテナを立てていたと。あれ?でも大学の専攻は情報系でしたよね?
ちょうどiPhoneが出てきたタイミングで、学生時代は位置情報を活用したエリアマーケティングの研究をしてました。
ちなみに私たち同い年なんですよね。当時というと、アメリカでオバマが黒人初の大統領になって、リベラルな空気感があって。ちょうど大学生くらいの頃にiPhoneの3GSとかが出てきて、mixiやTwitterが流行ってきて・・そんな世代でしたね。食に興味を持たれていたのに情報系を専攻したのは、そういった時代の空気感も影響はあったのですか?
先端技術とかにも元々興味があったのと、NHKのピタゴラスイッチとかを生み出した佐藤 雅彦さんというクリエーターに憧れていたこともあって、情報系ばっかり受験しました。
そこから新卒ではどんな会社に入ったんでしょうか?
新卒では、外資の医療レーザーの会社に入りました。ちょうど日本法人を立ち上げるタイミングでほとんど創業メンバーみたいになれたし、先端技術でサービスを作っていて英語が使えて・・みたいなところはないかなって探していた中で、そちらを見つけたんです。それこそ、「ベンチャー」が流行り始めてもいて。
大企業に行くっていう選択肢はなかったんですか?
あったんですけど・・当時、瀧本 哲史さんの『僕は君たちに武器を配りたい』という本を読んだときに、これから価値を持つ職種として「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「インベスター」の4つが挙げられていて、いったんマーケターから入ろうって考えたんです。結果的に、アジア各国を転々としてディストリビューションの代理店の人たちと一緒にイベントをしたりとか、クロスボーダーなマーケティングに携わることができました。

コロナ禍で高まった、人々の健康への関心。後押しされた起業領域への確信
そこでは何年くらい働いたんでしたっけ?きっと、一生そこで働こうという気持ちではなかったんですよね?
3年ちょっとくらいです。うちは父親も起業してたし、母親も音楽を教えてたしで、自営業な家庭だったので、僕自身もいずれ起業するだろうとは思ってました。高校の卒業アルバムにも「起業する」って書いてましたから。
その後すぐ起業ですか?
いえ、まずは医療領域にもっと深く関わりたいと思って商社に入りました。新しい医療機器を日本の医療市場に流通させていく、その川上から川下までやりたいなと思ったんです。
一社目は外資の日本法人だから、主に販売ですよね。そこからもっと上流に行きたいなと思ったんですね。
まさに。販促みたいなところから入って、川中あたりに移って新しい医療機器の開発とかを少しやっていたらそれが認められて、それから海外で新しい医療機器の開発をしてました。
そのときはどんな医療機器の開発をしてたんですか?
レーザーです。これまで一貫して光学技術(センサー・光)に関わってるんです。そのときは、目の疾患の予防・再生医療レーザーの研究開発をしていました。具体的には、糖尿病網膜症っていう疾患に対して、健康診断の段階で先に予防目的のレーザーを照射することで失明の原因を防ぐ可能性があるものでした。
すごい技術ですね。ノーベル賞も夢ではなさそうな。
ここから起業に至るのは、マーケティングの川上から川下— アップストリーム、ミッドストリーム、ダウンストリームって職能で分かれてるんですけど、それらを一通りはやったかなって思ったからです。日本人とも海外の人たちとも仕事したんですけど、次は日本人の仲間を見つけて起業したいなって思い準備を始めました。ものづくりがしたかったんです。
そのときにはもう事業領域は決まってたんですか?
決まっていました。 2017年に、Apple Watchで心拍数が測れる機能が実装されたり、血糖値のセンサーが日本で発売されたりしたんです。
その新しいデバイスが世の中に広まるだろうという確信があったんですね。
そうですね。その後2020年の10月から起業準備を始めたんですが、その当時がコロナ禍でした。ようやく外出できるようになってきたタイミングでインキュベーション施設に行ったら、みんなの健康への関心がすごく高くなっていることを感じました。自分の体調をどうやってコントロールするの?とか、何を信じればいいの?みたいな話題が飛び交っていて。そのときに医師も含めた様々な職種の人たちと話を重ねる中で、結論、“自分の体の中の情報”だったら信じられるんじゃないかってところに落ち着いて。やっぱりこの領域だと決めました。

最初に探した仲間は、“目に見えないものを憧れに変えられる”クリエーター
起業準備としてパートナーを探す上で、どんな人と一緒にやりたいと考えていたんですか?
「目に見えないものを憧れに変えられる人」です。生体情報って、目に見えないから実感できないじゃないですか。そして、そこに課題を持っているのって、お医者さんというよりはクリエイティブの人たちだなって思ってたんです。だから、共同創業者はクリエイティブの人って決めてましたし、実際にぴったりな出会いがありました。その相手となる志連(同社取締役CDOの志連 博彦氏)も、クリエイティブの最先端って次はどこに来るんだって考えて、「食」か「宇宙」って思っていたそうです。じゃあ一緒にやろう、と。
社会にとって必要なものにクリエイティブの力を使って、より多くの人に親しみやすく受け入れやすくする試みってやっぱり大事だと思います。ザ・ファージの事業においても、データを数字として出したところで、ユーザーがそれを受け取れるかは別の話ですもんね。受け取れたとしても、何をどう変えるんだという行動変容の部分までサポートできないと意味がない。よく考えると、かなり高度なコミュニケーションデザインが求められていますよね。

僕自身はずっと生体情報に関わってきてるので、もちろんデータを読み取る能力がありますけど、そこには相当に専門的な知識が必要なんですよね。普通は専門家じゃなければ難しい。でも、僕にできるってことは実は誰でも読み取れるってことだし、人間にできるんだから機械にもできるよねってことで、そういう存在をAIで作り始めたんです。
2020年くらいからそのあたりを予測されて、バックキャストで準備をしてきたんですね。
未来図を描いて、そこに向かう計画だけして、あとは「こういう人に会いたいです」って言いまくってた感じです。
“世界で一番美しい”日本が保持している健康データ。それらをどう活用するか
創業当時からの市場環境の変化とかって、徳永さんはどう見られていますか?想定していたこと、想定していなかったことなど。
当時、治療領域でアプリを使っていくってことがすごく注目されてたんですよね。それでいきなり医療の本丸のところ— アプリが薬になる領域への期待値が一気に高まってたんですけど、やっぱり薬を飲む体験とアプリを操作する体験とは違っていて、なかなかハードルが高いことがわかってきた。そんな中でも、AIを含めた技術の進歩は凄まじくて、医療の本丸ではなく周辺領域が新たな市場として台頭してきたのが、この数年じゃないかなと思います。だから、それこそ「食」や「民間保険」等のいわゆる公的保険の外にあるような市場がぐっと伸び始めているっていう感じですね。
ソフトウェアを医療機器として認める法改正が今から10年くらい前にあって、そこを事業機会として、いくつかのスタートアップが立ち上がった。ある意味、我々はその先輩たちの後を追うかたちで今走り出しているイメージですよね。その先輩方の試行錯誤を参考にしながら事業を作っている。そして、やっぱりAIの追い風が非常に強いですよね。
追い風ですね。AIの進歩によって経営が人的資本からトークン資本に変わってきて、いわゆる“AIを使いこなす力”みたいなもの自体がストックしていく構造に変化してきた。それで、「このAIを使えばここまでできますよ」っていう効率が求められるようになってきたなと思っています。その点、我々の業務って、多様な生体情報が入ってきてどんどん効率化されて情報が溜まっていくので、独自の競合優位性みたいなものが作りやすくなったとすごく思います。
ここで改めて、ザ・ファージの事業について、今の時代感を踏まえて教えてもらってもいいですか?
主に二つの事業を展開しています、一つはエンドユーザー向け。病気の予防を支援するために、遠隔の栄養指導をしています。ヒストリカルな生体情報にどういう指導をしたかとか、どう変わったかっていうデータを溜めています。それが二つ目の事業に繋がります。二つ目は溜めたデータを活用した予測・解析成果を企業向けに販売しています。例えば、製薬企業向けなら「どういう人たちがハイリスク群なのか」をAIで予測して、そのターゲティング結果を元に治験を行うことで製品のリリーススピードを一気に上げていくというようなことをやってます。
いろんなウェアラブルデバイスのセンサーから取れる生体データや健康診断のデータを蓄積してるんですよね。それらを活用しながら、個人に対して健康支援を行うのと、独自に開発したAIを提供して医療・ヘルスケア企業の製品開発やマーケティングも支援している。この領域では、もう僕らってアジアでNo.1って言ってもいいんじゃないでしょうか。
アジアNo.1だと思います。データの量も予測精度も。日本が持っている健康データの美しさはそれこそ世界で一番です。健康診断のヒストリカルなデータを数十年単位で溜め込めているのなんて、日本だけですから。

大量のデータ獲得とAIが今だからこそ実現する、個別化×予防の同時立ち上げ
医療・ヘルスケアスタートアップにおいて、個別化×予防って事業としてきつくない?みたいに言われるじゃないですか。その点はどう考えてきましたか?
僕たちは一緒にやってるのが良かったのかもしれません。
どっちもやることによって、両者がうまく回る仕組みを構築したってことですね。
あとは、例えばかなり早期に医療機器メーカーとアライアンスを締結するなど、データを大量に集められる仕組みをしっかり準備してきたのが大きかったと思います。
そのデータを取れる仕組みとか、予測基盤が作れるよねってこととかは、起業当初から見えていたんですか?
それこそ投資いただく時点で、個別に医薬品の量を変更するAIが作れることは見えてましたし。その前から診療にAIを取り入れてくっていう仕事をしてたので、見通しはありました。
個別化×予防領域がこれまでなかなか立ち上がらなかった理由って、どんなところにあるんでしょうか。
これまでもそれぞれ単一機能のAIは作れたんですけど、得られる便益が限られてしまい、それでは「そもそも病気にさせない」という根本的な課題は解決できなかったんだと思います。複数の予測機能をまとめて開発しないと解けないものだったんです。そこに大きな技術革新が起こったのが今。大規模な生体情報のデータプールを用いて独自の基盤モデルを構築することで、多様なAIの同時多発的な開発ができるようになったことが明らかなブレイクスルーだと思うんです。
僕たちが事業を通じて出会った仲間と保有している血糖値のデータセットは1,000万を超えていて、研究開発チームがつくった血糖基盤モデルは既に疾患発症を予測しています。今後、さらにそれが広がっていくというフェーズです。

多様な専門領域に属するメンバーと、「本当に誰かのためになるか」を軸にしたカルチャー
創業して5年が経過する中で、ザ・ファージの壮大なチャレンジを達成していくためには、やっぱりいろんな経験値や志を持った仲間がもっと必要だと思います。今のチームにはどんな方が集っているんでしょうか?
役割としては、コア技術を開発する研究開発、サービスを社会に向けて実装する製品開発、そして顧客にサービスを届ける事業開発と、主に三つかなと思います。
会社のカルチャーや雰囲気ってどんな感じなんですか?
まず「フェア」ですね。みんな本質的に意義のあるものづくりをするという同じゴールを見ています。だからこそ領域の異なる専門家同士であってもゴールに近づかせる為に平易な言葉で話しますし、立場じゃなくて職責に応じた話をしようって文化がありますね。
特定の専門分野の人たちだけで成り立つものではないというか、やっぱり、いろいろな専門領域の人たちが集まることによって成立していくような、いわゆる学際的な領域でのチャレンジというところがそういったカルチャーに繋がっているんでしょうね。
あとは、必ず「患者さんやエンドユーザーが第一」であること。その人たちに喜んでもらえるかどうかが一番大事なので。
数年前に私も経営合宿に参加させていただきましたが、徳永さんのようなキャリアの方もいれば、デザインバックグラウンドの方、それこそお医者さんや臨床の管理栄養士さん、実際に現場でクリニカルオペレーションを回す方、データサイエンスの方などなど― 本当にそれぞれの道で専門的に活躍されてるような方々が、なんとかザ・ファージという土台の上で共通言語を紡ごうとしている姿勢を目の当たりにしました。そこでもやっぱり、患者さんやユーザーさんに喜んでもらいたいという本気度を感じました。働き方もすごく多様というか、濃淡がありますよね。フルコミットでめちゃくちゃ働いている方もいれば、平日は本業にコミットしつつ週末などはザ・ファージに貢献してくださる方など。そうした組織スタイルは今後も維持されていくんでしょうか?
専門職の方たちにはそれぞれの専門領域に近いところにいていただくこともすごく重要だと考えてます。一方で、やっぱり僕たちは事業会社なので、サービス開発と事業開発には強いコミットメントが必要ですね。
今まさに会社のフェーズも変わりつつあるところですよね。仮説検証のフェーズから、フルコミットで一気にアクセルを踏んでいくぞ!という組織づくりが求められる局面にも来ているなと感じます。そんな中で、徳永さんとしてよりアップデートしていきたいところなんかはあるんでしょうか?
より強化したいところはメンバーそれぞれが「ラストマンシップ」を持つことです。チームでやるからこそ、一人一人に割り振られる大きな職責をそれぞれが安心して担い合えるような支え合いの場を作りたいです。
人の健康に関わる事業・サービスということで、ガバナンスや責任感といったものも求められますよね。
「これが本当にユーザーのためになるか」を考えられる純粋性が何よりで、常に自分たちのプロダクトが実現し得る未来に対してリスペクトがあるかも重要になるだろうと思ってます。
あとは、食品・保険・製薬といったような各インダストリーの大企業との取り組みも増えていますし、今後もどんどん増えていくという中で、アジアNo.1のバーティカルAIを持っていろんな企業と最先端の領域でチャレンジできるフィールドがザ・ファージにはありますね。
僕が新卒だったら、絶対入りたいです!

強い仲間を集める吸引力は、大きなインパクトを信じる純粋性にあると信じて
これは僕の印象ですが、徳永さんって良い意味で、THE リーダーっぽくない気質というか・・それでも、チームづくりにおいても企業とのアライアンスにおいても人を巻き込む力が強いという印象があります。“末っ子コミュニケーション”とでもいうのかな。
それはあるかもです。姉二人の末っ子長男で育ってきたこともあるかもしれないですし、本当にいろんな人たちに支えられてばっかで来ましたし。
リーダーというか、オーガナイザーみたいなイメージが近いのかもしれません。背中を見せてチームを引っ張るリーダーシップというよりは、ビジョンを描いて共感を集める力というか。それこそ、“目に見えないものを憧れに変えられる”力というのは徳永さん自身も持ち合わせているものなのかもしれませんね。
すごく遠くの目標を描いて、そこまで辿り着くための道のりを設定するのが得意だよねって周囲に言っていただくことが増えましたね。
あとは、肝が据わっているというか、臆せずチャレンジしていく姿勢が強いですね。

最高のものを作りたいんだったら「その領域ならこの人を置いていないって人と付き合っていったほうがいい」という話があったので、じゃあそうしようと心掛けているところはあります。
人を巻き込むとき― チームや誰かと何かをやろうとするときに心がけてることとかはありますか?
チームでやるときには、必ず目標を作って、事前に合意を取ります。ここまでやろう、こういうプロセスでやってこうっていう一定の指針を作った上で、オーナーシップを渡して、全力で支援する。そうすれば進む、と今のところは思ってます。あと、いわゆる一流の人たちというか、自分よりも何枚も上手な人たちに相対するとき小手先のテクニックではなく、「何を実現したいのか」を純粋に伝えることを意識しています。それが大きな目標や問いだとしても、僕たちのミッションやビジョンに強く共感してくれれば、必ず仲間になってくれる。願えば叶う、と思ってます。

やっぱり徳永さん自身の純粋性も、ザ・ファージの大きな武器だと思います。もちろん僕自身もザ・ファージの掲げているビジョンに共感してるんですが、言葉の上での共感だけじゃなくて、なんか“チャレンジしたくなる”んですよね。前に、德永さんとCSOの川上さんに「ちょうど100年前にインスリンが開発されたという偉業を100としたときに、ザ・ファージがやろうとしていることが実現したらどれくらいのインパクトになると思いますか?」と訊いたことがあります。そのとき、お二人は150とか200だよねという話をされていました。AIに聞いてもそのくらいの数値が返ってきます。なぜなら、「インスリンっていうのは病気になってしまった人に対しての治療だが、僕らがやろうとしてるのは“病気にさせない”ってことなんだ」と。それだけ大きいというか、共感を超えた、人類の進歩のチャレンジというか、そういう命題を突きつけていると思っています。
人の役に立つもの、最先端の領域で世界で戦えるようなものをずっと作りたかった。遠いかもしれないけど、目標も道のりも見えています。今ザ・ファージはしっかりとその途上にいるし、実現できてる手応えがあります。

※こちらは、2026年10月15日時点の情報です


