【シード調達のリアル #1】投資家との出会い|Finance by Genesia.
投資家との相性をどう見極めるか
シード期の起業家には、すでにWebやSNS、ピッチイベントなどで露出を強化されている方もいれば、起業前やプロダクトリリース前で、まだ世の中に対して十分に情報発信できていない方もおられると思います。
私たちジェネシアはシードステージ(創業初期)で投資しており、スタートアップにとって最初のファイナンスからご一緒したいという強い思いがあります。そのため、「これから世に出る起業家」の方々から見つけてもらえるよう、そして、初めてのVCファイナンスに臨む野心的な起業家にとって信頼に足るパートナーと考えてもらうために、自らの情報発信に力を入れています。
例えば、各キャピタリストが有望事業領域をリサーチしてXやnoteなどで発信したり、全メンバーの『シードVCのシゴト観』というインタビュー記事を公開したりすることで、私たちがどんな思いでシードVCに向き合っているかをお伝えしています。
資金調達は、一度実施すると元に戻すことが難しい不可逆な意思決定です。株主は、中長期のスパンで、事業が苦しい時も順調な時も共有するパートナーになります。だからこそ、私たちの発信を通じて価値観の相性をしっかり確認していただいた上で、ぜひアプローチしていただければと思います。
投資家のアンテナに引っかかるための「SNSの整え方」
投資家は、日々積極的にアウトバウンドでのリーチを行っています。特に若手キャピタリストは、インターネット上で継続的に起業家をリサーチしており、PR TIMESなどのプレスリリースだけでなく、note、X、LinkedInなどにも常に目を光らせています。
近年はAIツールを使って起業家の情報収集やスクリーニングを行う投資家も増えており、「人の目」だけでなく「AIの目」にも引っかかるプロフィールであることが、じわじわと重要になってきています。人にもAIにも共通して刺さるのは、抽象的な肩書きよりも「何の課題を、どんな手段で解こうとしているか」が一言で伝わる情報です。
こうした投資家のアンテナに見つけてもらうための第一歩として重要なのが、SNSのプロフィールを充実させることです。「いま、どんな事業や課題に取り組んでいる人なのか」が分からなければ、投資家側も連絡の糸口を掴みにくくなってしまいます。また、投資家がいざ連絡をしようとした際に「DMが閉じられていた」というケースも少なくありません。投資家からのコンタクトの可能性を広げるためにも、何をしている人かを明記し、DMの受付設定を忘れずに確認しておくことをお勧めします。
投資家と出会える主な場所
起業家と投資家の出会いは偶然から生まれることもありますが、投資家が情報収集のために「必ず足を運ぶ場所」は確かに存在します。
- スタートアップカンファレンス・イベント: B Dash Camp、IVS、ICCといったスタートアップ特化型の大型イベントのほか、領域特化型のカンファレンスには多くの投資家が集まります。また、近年は地方での自治体主催ピッチイベントも増えており、私たちも各エリアごとに担当キャピタリストを配置し、積極的に足を運んでいます。
- インキュベーション施設:各地の施設には「コミュニティマネージャー」が在籍しており、起業家の事業内容に合わせて適切な投資家を繋ぐ、重要なハブの役割を担ってくれます。
- アクセラレータープログラム:投資家や事業会社が直接支援するプログラムへの参加も、有力なルートです。例えば、私たちが以前運営していた『Ignition Academy』では、2023年の初回開催時に参加9社中5社がVCからの資金調達を実現しています。
- 起業家同士の飲み会・食事会:「良い起業家の周りには良い起業家が集まる」という考えのもと、すでに調達を経験している先輩起業家のネットワークを通じて、信頼できる投資家を紹介してもらえるケースも非常に多くあります。
投資家との接点づくりは「知人からの紹介」が最も確実
私たちが実際に投資に至ったケースで最も多いきっかけは、実は「知人・友人からの紹介」です。投資家に直接アプローチする前に、まずはLinkedInやFacebook、Xなどで共通の知人がいないか確認してみることをお勧めします。
私たちが普段、どのような方々から起業家をご紹介いただいているのか、主なルートは以下の通りです。
- 投資先の起業家:投資家とすでに信頼関係が構築されているため、事前に起業家の人となりや事業の情報を得やすく、お互いにとって迅速でスムーズな対話に繋がりやすくなります。
- 他のVCやエンジェル投資家:シード期より後のフェーズ(シリーズA以降など)をメインとするVCから、「自社の対象ステージとは異なるけれど、素晴らしい起業家がいる」とご紹介いただくケースも多くあります。
- ファンドのLP(出資者):ファンドに資金を出資している事業会社や金融機関との接点をお持ちの場合は、そこを経由してアプローチしていただくのも非常に有効な手段です。
- スタートアップ支援者:インキュベーション施設のコミュニティマネージャー、自治体、大学関係者、士業の方々など多岐にわたります。特に地方で活動する起業家の皆さんとは、各エリアの支援機関との連携を通じて出会う機会を強化しています。
共通の知人がいない場合でも、ご安心ください
もしどうしても接点が作れない場合は、コーポレートサイトの問い合わせフォームや、キャピタリストへのDMを遠慮なくご活用ください。その際、「誰が、どういう思いで、何にチャレンジしようとしているのか」がしっかりと伝わるピッチ資料(事業計画書)を添付していただくと、投資家側も解像度高く検討できるため、面談に繋がる確率が大きく高まります。
