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【シード調達のリアル #7】”投資後の関係性” – Finance by Genesia. –

FINANCE

こんにちは、ジェネシア・ベンチャーズの河野(@yutodx)です。

普段はベトナムのホーチミンを拠点に日本や東南アジア、アフリカのスタートアップへの投資活動をしています。今回は”Finance by Genesia.”の第七稿となります。

これまでのエントリーでは「初回面談」→「私たちが伴走したい起業家像とチャレンジしたい事業領域」→「DD(デューディリジェンス)」→「投資委員会」→「着金(クロージング)」とスタートアップとVCの出会いから着金までのプロセスについてお伝えしてきました。

第七稿となる本稿では、スタートアップとVCの「投資後の関係性」についてジェネシアの取り組みをご紹介します。本稿の最後には「おまけ動画」も用意しているので、是非、そちらもセットでご覧頂けると嬉しいです。

オンボーディング(相互連携の体制構築)

ジェネシアでは着金(クロージング)後、オンボーディングのため下記4つの取り組みを実施しています。

1. ジェネシアメンバー全員と支援先スタートアップ経営陣のメッセンジャーグループ作成
ジェネシアでは各支援先スタートアップに対して主担当と副担当の2名担当制としており、GPの田島さんorたかさん + キャピタリスト1名が基本形です。
2名の担当者のみではなく、メンバー全員とのメッセンジャーグループを作成する目的は、投資委員会へのメンバー全員の参加と同様にGVメンバー全員で各支援先スタートアップの事業や組織状況を理解し、適切なサポートを提供するためです。
事業、組織、採用、PR、大企業連携などの相談や紹介の依頼などにおいて、支援先スタートアップがジェネシアのリソース(各メンバーの知見やネットワーク)を最大限活用し、事業成長に繋げられることを目指しています。

2. 支援先経営者FBグループへの招待
ジェネシアでは支援先経営者向けのFacebookグループを運用しています。ジェネシアメンバーからの情報共有やイベントの告知、支援先スタートアップ間の連携などに活用されています。

3. Wiki for Startupsの展開
ジェネシアではNotionで支援先スタートアップ向けのWikiを作成し、投資実行後に共有しています。Wiki for Startupsにはスタートアップ向けサービスの特別プラン、イベントのアーカイブコンテンツ、メディアネットワーク、エキスパートネットワークなどの情報が掲載されています。

4. キックオフミーティングの実施
投資実行後のキックオフミーティングでは、担当者2名に加えてリレーションシップマネージャーの吉田愛さんとポートフォリオマネージャーの吉田実希さんも参加します。
投資検討プロセスでも議論している内容ですが、改めて各社の次回ラウンドの内容やタイミング、その実現に向けて達成すべきマイルストーン、そしてマイルストーン達成に向けての戦略・戦術とリソース(資金・人材)の獲得について整理しています。
リレーションシップマネージャーの吉田愛さんはPRや採用・組織面ポートフォリオマネージャーの吉田実希さんはジェネシアのLP含む大企業連携について各支援先をサポートしています。

定例ミーティング&経営合宿

ジェネシアでは各支援先スタートアップの事業・組織状況や経営陣のニーズに合わせて、月次、隔週、週次の定例ミーティングを設定しています(不定期のケースもあります)。

定例ミーティングでは、1. 事業・組織・財務状況の整理、2. 現状及び今後直面する可能性のある課題の洗い出し、3. 課題解決に向けたディスカッション及び人や企業の紹介を実施しています。

定例ミーティングは、事業に集中している経営陣の方々にとって、一定期間ごとに事業・組織・財務状態を整理し、次の事業マイルストーンに対する現在位置と落とし穴を把握する機会となることを意識しています。

スタートアップは日々直面する課題を解決し続けなければならないため、視点が短期&ミクロに寄り過ぎてしまうことがあります。VCはスタートアップの事業や組織の現場から一定の距離があることもあり、長期&マクロの視点でスタートアップの事業や組織を見ています。双方の視点を持ちよってディスカッションの場を持つことで、事業を俯瞰的かつ解像度高く捉える機会を作り事業成長に繋げたいと考えています。

また、定例ミーティング以外にも事業のフェーズが変わるタイミングで、宿泊型の経営合宿や半日程度を使ったロングミーティングを通じて、マーケットやポジショニング、バリュープロポジションを踏まえた短期・中長期戦略の策定支援を実施しています。

資金調達

VCがスタートアップの経営陣以上に各社の事業や組織状況を解像度高く理解することはできません。一方でVCは複数の支援先スタートアップの資金調達をサポートしているため、資金調達においてはスタートアップの経営陣よりも多くの知識や経験を有しているケースが多いです。

ジェネシア・ベンチャーズでは、日本・東南アジアのVC、事業会社、金融機関のネットワークを構築し、適切な資金調達先の選定、エクイティストーリーの設計や資金調達資料の作成支援などのサポートを実施しています。

また、シリーズA以降の投資家と支援先をN:Nで繋ぐマッチングイベント「Finance Hub」を開催しています。シリーズA以降の投資家の方々とのディスカッションを通じて、事業や組織戦略のブラッシュアップや将来の資金調達における投資家候補との出会いの場となっています。

シード・スタートアップにとっての「ファイナンス・ハブ」になります。|水谷航己

強いチーム作り

スタートアップの成功において強いチーム作りは不可欠です。

ジェネシアでは、これまで多くのスタートアップに伴走する中で組織づくりの成功例・失敗例を蓄積し、支援先スタートアップの組織づくりやCI策定をサポートしています。

組織づくり。前職(サイバーエージェント)時代から通算すると、これまで100社を超えるスタートアップに伴走してきましたが、シリアルアントレプレナーを除き、大半の起業家にとってはじめての経験であり、いかに能力が高い起業家であっても失敗することが多いのが組織づくりです。

組織づくりは資本政策と同じで、一度間違った方向性に進めてしまうと軌道修正が難しいだけではなく、起業家に対して精神的・肉体的に極めて大きな負荷を与えることとなり、場合によっては会社清算に追い込まれることさえあります。なので、先人が歩んできた道からしっかりと学び、自社の組織づくりに活かすことがとても大切です。

変化に強い企業、優れた戦略は、強いチームから生まれる。ビジョンの実現に向かう上で、また事業を継続的に成長させていく上で、「強いチーム創り」は最重要ファクターであり、経営者が最も力を入れるべきテーマだと思います。

【シード・スタートアップ】強い組織創りのコトハジメ|水谷航己
VCの私たちが、コーポレートアイデンティティ(私たちらしさ)に向き合い続けるということ|吉田愛

広報・PR

広報・PRには、スタートアップが想い(ストーリー)をステークホルダーに対して発信し、仲間を増やし、ビジョンの実現に繋げていくという重要な役割があると考えています。

ジェネシアではリレーションシップマネージャーの吉田愛さんを中心に広報・PRに対する考え方の共有やメディア紹介、プレスリリースの添削など包括的に支援先スタートアップの広報・PRをサポートしています。

初期のスタートアップにおいては、今まさに事業やサービスがマーケットに受け入れてもらえるかもらえないかという仮説検証プロセスの真っただ中で、実績というニュースバリューはまだほとんどない。そんな中で、人を動かすことができるコンテンツは、ほぼ想い(ストーリー)といっても過言ではありません。起業した想い、事業・サービスへの想い、チームへの想い、ユーザへの想い、業界・マーケットへの想い、あるべき世界への想い、自分たちがリードしようとしている未来に対する想い・・そうしたストーリーづくりをして、人を動かすために展開していく活動・しくみづくりのすべてが、#スタートアップPR だと思っています。

わたしの好きな、#スタートアップPR ①|Ai YOSHIDA|note

また、「Players by Genesia.」というオウンドメディアを運営しています。「Players by Genesia.」は、デジタルトランスフォーメーションを通じて、デジタル時代に持続的な産業を興していく「Players(当事者たち)」の“WHY(想い)”に焦点を当てたコンテンツを発信し、エコシステムの拡大・発展に寄与することをコンセプトとしており、支援先スタートアップの起業家や大企業のキーマンへのインタビュー記事を発信しています。

終わりに & おまけ動画

今回は「投資後の関係性」についてジェネシアの取り組みをご紹介してきました。VC各社ごとに投資後の関係性における哲学や注力ポイントは異なりますが、VCから投資を受けた後にどのような関係性となるのかが少しでもイメージできる内容になっていればと思います。

VCもスタートアップのビジョンの実現に向けたチームの一員です。スタートアップの組織作りを考える際と同様に、ビジョンの実現に向けて共に長く走っていけるか、期待役割の遂行能力があるかを事前に確認しましょう。

スタートアップとVCの関係性は長ければ10年以上続くこととなります。起業家の皆さんにおすすめしたいのは、VCから投資を受ける前にそのVCや担当者の支援先スタートアップの方にレファレンスを取ることです。

VCが支援先の起業家の方と平時と有事のそれぞれで、どのような姿勢で、どのようなコミュニケーションを取り、どのようなサポートを提供しているのかを事前に理解することは、その後の長期的な関係をより良いものにする上でとても重要です。

ジェネシアでは支援先スタートアップへの提供価値を高めるため、日々社内で議論しながら新たな取り組みに挑戦していますが、まだまだできていないこと、もっとうまくできるであろうことはたくさんあります。

スタートアップの皆さんの声を聞きながら、より良い投資後の関係性を作っていけるよう精進していきます。

起業家へのメッセージ動画を撮りましたので、こちらもよろしければ、是非ご覧ください。

第七稿は以上となります。Finance by Genesia.第八稿は、「LPの存在」について、吉田実希からお送りします!

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