【シード調達のリアル #5】投資委員会|Finance by Genesia.
投資検討プロセスの全体像:初回面談から「最短3週間」での意思決定
ジェネシア・ベンチャーズの投資検討プロセスは、大きく以下の3ステップで構成されています。
- GP面談 担当キャピタリストが投資可能性のあるスタートアップ起業家との検討を進めるに際して、起業家の方とGPとの初期的な面談機会を調整し、投資委員会に進めるかどうかを判断します。
- Internal Discussion 投資メンバー間で、事業の可能性や論点を深掘りする内部ディスカッションを行います。
- Founder Discussion & 投資委員会 起業家の皆さんと投資メンバー全員が対話し、最終的な意思決定を行う場です。
【具体的なスケジュール例】
初回面談から最終決定まで、最短で約3週間というスピード感で進行します。
- 10月23日(水): 初回面談
- 10月29日(火): 案件会議(プロジェクトのキックオフ)
- 11月 8日(金): Internal Discussion(詳細な論点整理)
- 11月15日(金): Founder Discussion & 投資委員会(最終意思決定)
もちろん、競合状況や事業の緊急度に応じてこれより早く進めることもありますが、基本的にはこの流れが標準的なサイクルとなっています。
GP面談:意思決定者と共に「事業の仮説」を磨き上げる
ジェネシア・ベンチャーズでは、2名のGP(ジェネラル・パートナー)による合意に基づいて、最終的な投資意思決定を行っています。
「GP面談」は、担当キャピタリストから共有されたプロジェクトに対し、2名のGPのうち1名が加わって、起業家の皆さんと直接ディスカッションを行う場です。
ここでの目的は、単なる「最終確認」ではありません。初回面談や内部会議で洗い出した論点をもとに、「どうすればこの事業はより大きく飛躍できるか」という仮説を、GPの視点を交えてさらにブラッシュアップすることにあります。
このディスカッションを通じて、事業構築に向けた解像度を極限まで高め、最終的な「投資委員会」へと進むべきかを検討していきます。起業家の皆さんにとっては、私たちの意思決定の中枢にいるパートナーと直接対話し、その熱量や思考を肌で感じていただける貴重な機会になると考えています。
Internal Discussion:「サクセスシナリオ」を共創する
私たちの意思決定プロセスは2段階に分かれています。その最初のステップが、チーム全体で行う「Internal Discussion(内部ディスカッション)」です。
まず、担当キャピタリストがこれまでの面談内容を踏まえて「Investment Scenario(IS)」を作成し、投資メンバー全員に共有します。そして、この資料をもとに議論を行います。
このステップで私たちが何よりも大切にしているのは、起業家が描くビジョンやシナリオをただ受け取るのではなく、「私たちも当事者として、その成功シナリオをより強固なものへとブラッシュアップすること」です。
特に、初めて起業に挑戦する方にとっては、組織戦略やファイナンス戦略など、解像度を上げることが難しい領域も少なくありません。そこを、数多くのスタートアップを支援してきた私たちの知見を掛け合わせ、共に「勝ち筋」を磨き上げていきます。
この濃密なプロセスを通じて、起業家の皆さんの目線で「自分たちの事業を深く、真剣に考えてくれるパートナーなのか」という、VCの本気度や相性をシビアに見定めていただきたいと考えています。
Founder Discussion:私たちが「ファンの一員」になる日
最終ステップは、起業家の方(代表者だけでなく、原則として経営チーム全員)をお招きした「Founder Discussion」です。
ここでは、単なる最終確認を超えた、以下のような本質的な目的を持ってディスカッションを行います。
- 互いの相性の確認: これから長い旅路を共にするパートナーとして、価値観が共鳴するか
- 戦略の最終すり合わせ: 事業・組織・ファイナンスの方向性にズレがないか
- 想いの共有: 創業の背景にある熱い想いを直接伺い、私たちがその「一番のファン」であり「チームの一員」となるため
- 解像度の向上: 解決すべき課題やユーザーへの理解を、チーム全体で深めるため
- 残論点の解消: 懸念点をゼロにし、全員が迷いなくアクセルを踏める状態にするため
【当日の流れ(目安)】
- ジェネシアメンバーの自己紹介(約5分): 私たちから先に、自身のバックグラウンドや想いを自己開示します
- 起業家チームの自己紹介(約5〜10分)
- 事業説明(約25〜30分)
- ディスカッション(約15〜20分)
私たちからは、原則として全メンバーがこの場に参加します。 最終的な投資の合意は2名のGP(田島・鈴木)によって行われますが、全メンバーが参加するのは、投資決定後にチーム一丸となって伴走支援を最大化するためです。
私たちがまず自己紹介から始めるのも、起業家の皆さんに心を開いていただき、対等なパートナーとして深い対話をしたいという願いからです。ここを通過したとき、私たちは単なる「投資家と起業家」の関係を超え、同じ船に乗る一つの「チーム」になることを目指します。
投資委員会は堅苦しい場と捉えられがちですが、起業家の方にとってはそのVCの雰囲気や思想を直接知ることのできる数少ない機会でもあります。気負わず、ぜひ相性を見極める場として有効活用していただけたらと思います。
