INSIGHTS
INSIGHTS

【シード調達のリアル #0】ジェネシア・ファイナンス総論|Finance by Genesia.

私たちがこのシリーズをお届けする背景

近年、数百億円規模の巨大ファンドも珍しくなくなり、国内のVCの数は急増しています。起業家の皆さんにとって、資金調達の選択肢が大きく広がっていることは非常にポジティブな変化です。

しかし一方で、「どのVCや担当キャピタリストが、自社のフェーズや事業領域に本当にフィットするのか」がわかりづらく、資金調達のプロセス自体がブラックボックス化しやすくなっているのも現状です。結果として、本来であれば事業開発に向けるべき貴重な時間を、相性の合わないVCへのアプローチに費やしてしまうケースも決して少なくありません。

起業家の皆さんの大切な時間と労力を守り、本質的なパートナーシップの構築に集中していただきたい。そうした思いから、私たちなりに投資側のリアルな実態を誠実に開示しようと考えたのが、このシリーズの出発点です。

このシリーズを通じて、私たちがどのような考え方で投資活動に取り組んでいるのかを、できるだけ透明性をもってお伝えしていきます。

一言でいうと、ジェネシアはどんなVCなのか?

私たちジェネシア・ベンチャーズの投資活動は、大きく以下の「3つの軸」で構成されています。

  • 原則「リード投資家」として伴走する
  • アジアから「次の大きな産業」を創る
  • 「シードステージ」のスタートアップに特化する

なぜ私たちがこの3つの軸にこだわっているのか。それぞれのスタンスの背景にある私たちの考え方や、それが起業家の皆さんにとってどのような意味を持つのかについて、順を追ってご説明します。

「リード投資家」とは? なぜ最初に決めるべきなのか

「リード投資家」という言葉には明確な一つの定義があるわけではなく、投資家ごとにさまざまなスタイルが存在します。私たちジェネシアでは、この役割を以下のように大きく2つの視点で捉えています。

  • 狭義のリード投資家(条件面のリード) その調達ラウンドにおいて最も大きな金額を投資し、バリュエーションなどの「資金調達条件(投資契約)」を経営陣と決定する役割。
  • 広義のリード投資家(事業伴走のリード) 次回のファイナンスを見据えたマイルストーンの設定、具体的な打ち手の検討、組織構築、PR戦略に至るまで、経営陣と最も近い距離で密に連携し、事業成長を支援する役割。

資金調達を進める上で、起業家の皆さんにぜひ知っておいていただきたいのは、「リード投資家が決まらないと、他の投資家が参加するための条件自体が固まらない」ケースが非常に多いということです。だからこそ、まずリード投資家を決めることが、資金調達における最初の最重要ステップとなります。

また、私たちがリード投資家として伴走する上で最も大切にしているのが、「経営チームが成し遂げたいビジョンや思いを、深く理解し共感すること」です。スタートアップの経営には、想定外のハードシングス(困難)が必ず訪れます。その壁にぶつかったとき、頭での理解だけでなく「心」の部分でも深くシンクロしたタッグを組めているかどうかが、苦境を力強く乗り越えるための源泉になると信じているからです。

「次の大きな産業」とは? すべての人にテクノロジーの恩恵を

私たちは、「テクノロジーは一部の格差を広げるものではなく、すべての人がその恩恵を享受できるものであるべきだ」と考えています。そうしたテクノロジーを生み出し、より豊かな社会の実現を目指すスタートアップを支援すること。それは、私たちジェネシアのアイデンティティとも言える最も重要なチャレンジです。

具体的には、未来の社会をアップデートするために、以下の「6つの観点」を掲げています。

  • 豊かな生き方
  • 循環型経済
  • 情報・機会の均等
  • 叡智の発揮
  • 共存・共栄
  • 健やかな社会

これらのビジョンに合致し、大きな事業創造に挑む起業家であれば、アプローチの手法は決して限定しません。ソフトウェア開発からディープテック、to C向けのサービスからto B向けのビジネスまで。領域の枠を超え、あらゆるアプローチで「次の大きな産業」を共に創ろうとする起業家の皆さんと、広くご一緒したいと考えています。

「シードステージ」特化:プロダクトがない創業前からの伴走

私たちが初回投資のメインとするフェーズは、「プレシード」から「プレシリーズA」までです。シリーズA以降のフェーズから新規に投資参画することはありません。

私たちの最大の強みは、起業家の皆さんにとっての「初めての外部からの資金調達(エクイティ調達)」をリード投資家としてお引き受けすることです。そのため、「プロダクトがまだ存在しない創業期」や、時には「会社すら設立していない構想段階」であっても、積極的にオファーを出させていただくことがあります。

具体的な資金提供の規模感として、直近のファンド(4号ファンド)における初回投資額は、1社あたり「約1億円〜2億円」のレンジが最も多くなっています。

答えのない「ゼロイチの仮説検証」という最もタフな局面を、起業家の皆さんと一緒に泥臭く切り拓いていくこと。それこそが、シードVCである私たちの最も大きなやりがいです。

筆者

BACK TO LIST